あらすじウタの気持ちを受け止め、その上で「その気持ちには応えられないし受け取れない」と言った薫瑠。ウタはその言葉に涙し、覚悟を決めて家を出ていくのだった。そしてウタがいなくなり、怜一と二人になった薫瑠は、改めて妻としての自分の立ち位置と向き合うことに…
実の兄の奥さんに恋をしてしまった女子高生のお話。 特に主人公のウタは自分の気持ち以上に、相手が女性、しかも実の兄の奥さんであることや、自分がまだ自立できていない高校生だということなど、自身と周りの状況についての理解が深くて、深すぎるからこその年齢不相応に大人びた振る舞いをしている。 百合作品だと相手が同性という理由から恋愛に対してストレートに行動できない場面も多いけど、この作品の場合はより多層的な縛りがあることによりウタの感情の揺れ動きに深みが生じる。 最新4巻は前巻最後の薫瑠のモノローグから薫瑠が意を決してウタと向き合おうとするまでの数日間。 その間にウタと薫瑠それぞれの心境に変化を与える出来事を詰め込んでくる。なぜこの世界にはこんな辛い恋をしている人間しかいないのか。 少し近い設定だけど今のところ恋愛要素を打ち出してない「兄の嫁と暮らしています。」辺りと対比させて読むと面白いかもしれない。