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漫画家・百野哲(ももの・さとる)は貧乏生活ゆえ、ネットオークションでアダルトDVDを安く落札する毎日。ところがある日、特定の1枚のみを落札し続ける謎のID「Tig****」を発見した。興味を持った百野哲は自分も出品して、相手に直接会う手はずを整える。そして物語は意外なラストへ…。――第一話「Tig****はWEB上から消えた」なかなか漫画一本で生活が出来ない百野哲は、地元テレビ局の番組制作を手伝うことに。はるばるオーストラリアからやって来たメロスという外国人、彼の目的は人気絶頂のアイドル「リンダ三乗」を応援することにあった。かくして東京から浜松まで260キロ、“詣で”と呼ばれる、コンサート会場まで徒歩で参加するイベントが始まった…。――第二話「走れ、メロス」実在の漫画家:百名哲(ももな・さとる)が架空の漫画家・百野哲(ももの・さとる)を主人公に描く、ドキュメンタリー形式の人間讃歌。現代に生きる人間は、清く、純粋で、傷つきやすい。上記2作のほか、第三話「野宿の墓」、第四話「陸軍ナポリタン」を収録。
百野哲が主人公というか狂言回しという立場で登場する。一応架空の漫画家百野哲ということらしい。1巻には極貧漫画家の百野哲がアダルトビデオをネットオークションで売りにだしたら、ある女優の作品だけを高額で落札している奴がいると気づく話とか、リンダ(三乗)っていうアイドルグループのライブに行くために、オーストラリア(実家)から徒歩でライブ会場まで詣るドルオタをビデオカメラ片手に密着取材をする話などがある。 意外なことに、完全に創作というわけではなく、どれも実話が基になっているらしい。(特定されないように配慮はされているが) 話の作りが上手くドキュメンタリー番組を見ているような感覚で読めて面白かった。