漫画家・百野哲(ももの・さとる)は貧乏生活ゆえ、ネットオークションでアダルトDVDを安く落札する毎日。ところがある日、特定の1枚のみを落札し続ける謎のID「Tig****」を発見した。興味を持った百野哲は自分も出品して、相手に直接会う手はずを整える。そして物語は意外なラストへ…。――第一話「Tig****はWEB上から消えた」なかなか漫画一本で生活が出来ない百野哲は、地元テレビ局の番組制作を手伝うことに。はるばるオーストラリアからやって来たメロスという外国人、彼の目的は人気絶頂のアイドル「リンダ三乗」を応援することにあった。かくして東京から浜松まで260キロ、“詣で”と呼ばれる、コンサート会場まで徒歩で参加するイベントが始まった…。――第二話「走れ、メロス」実在の漫画家:百名哲(ももな・さとる)が架空の漫画家・百野哲(ももの・さとる)を主人公に描く、ドキュメンタリー形式の人間讃歌。現代に生きる人間は、清く、純粋で、傷つきやすい。上記2作のほか、第三話「野宿の墓」、第四話「陸軍ナポリタン」を収録。
4ページの掌編から120ページの大長編まで。孤独も不幸も悲しみも超えた人間讃歌がここにある。現代に生きる忍びの者たちを描いた120ページの渾身作「伊賀の迅雷」。サイレントホラー掌編「公衆トイレで」。静岡県の擬人化4コマという怪企画「負けるな駿河マリナーズ」など、短編の名手・百名哲の傑作読切12本を1冊に収録! ハルタ本誌の掲載作に加え、販促用の限定冊子に描かれたものなどを集めに集め、250ページ越えの特厚本で発売。●収録内容:「伊賀の迅雷」「棚の上のなにか」「けれどなお、物語は君を讃える」「ダイスの神様」「兎は淋しくても死なない」「負けるな駿河マリナーズ」「公衆トイレで」「蓮華香」「受話器の向こう」「ひみつのチャイナ」「雨を見たかい?」「草むらの血」
彼氏が家に置いていった、言葉を話す猫。帰ってこない彼を、私も猫もひたすらに待つのだが……。えんため大賞に入賞し、多くの読者から熱烈な支持をうけた名編『ばかねこ』をはじめ、コミックビーム誌で発表した読切(『桜の頃』、『サムライ戦隊ブシドーファイブ』、『ポカリ』)はすべて収録。さらに、大正時代を舞台に“女の業”を描いた未発表作品『接ぎ木』や、描きおろし掌編も加えた珠玉の1冊!
実績ゼロ。顧問は不在。部員、たったの3人。廃部の危機に追い込まれ、つい「中部大会出場」という無謀な目標を掲げてしまった玉野高校演劇部。孤立無援でイバラの道を進むことになった彼らに、救いの女神が現れた!新鋭・百名哲が描く、芝居を愛する高校生たちのグロリアス・デイズ。掲載時に大きな感動を呼んだ第5話[縄跳びの記憶]を収録。あがり症の部員が、緊張から解き放たれる瞬間が優しく、鮮やかに描かれる。
「棚の上のなにか」 「ダイスの神様」 「受話器の向こう」 「伊賀の迅雷」 「蓮華香」 「公衆トイレで」 「草むらの血」 「雨を見たかい?」 「負けるな駿河マリナーズ」 「兎は寂しくても死なない」 「ひみつのチャイナ」 「けれどなお、物語は君を讃える」 タイトルだけ見てもジャンルがバラバラなことが分かりますね。ページ数も違うし、ギャグだったり、感動的な人間ドラマだったり、セリフなしのサイレント漫画だったり、こんなに内容が違うものを一人の作者が描いたのかと驚きました。 私が好きだった短編は…自分のせいで大事な試合に負けてしまったトラウマで引退した野球選手がボードゲームに出会って負けることを克服する「ダイスの神様」、詩的なタイトルなのに下ネタギャグ漫画だった「雨を見たかい?」、駅の伝言板に小説を書き続けた女子高生と駅員のヒューマンストーリー「けれどなお、物語は君を讃える」です。
百野哲が主人公というか狂言回しという立場で登場する。一応架空の漫画家百野哲ということらしい。1巻には極貧漫画家の百野哲がアダルトビデオをネットオークションで売りにだしたら、ある女優の作品だけを高額で落札している奴がいると気づく話とか、リンダ(三乗)っていうアイドルグループのライブに行くために、オーストラリア(実家)から徒歩でライブ会場まで詣るドルオタをビデオカメラ片手に密着取材をする話などがある。 意外なことに、完全に創作というわけではなく、どれも実話が基になっているらしい。(特定されないように配慮はされているが) 話の作りが上手くドキュメンタリー番組を見ているような感覚で読めて面白かった。
百名哲の短編集でどれもキャラクターに味わいがある作品ばかり。 「ばかねこ」は昔大学生だった頃に好きな男が「ちょー猫っぽい」ということで拾ってきたの喋る猫?を強引に押し付けられ3年間暮らしたOLの話。この猫、いつも何かに不安を覚えていて「トマトが毒だったらどうしょう」とかどうでもいいことばかり不安になっているバカな子なんですが、「ごしゅりんがいつか迎えにくる」と健気に男を待っていて、そして借りぐらしの肩身の狭さなんかも時折感じさせるような表情をして、バカなだけじゃなくてどことなく憐憫を誘うような子でかなり愛くるしくこれだけで連載してほしいほどです。 他にも「サムライ戦隊ブシドーファイブ」はクランクアップ間近の特撮ヒーローの役者や監督たちの話で、監督の優しさとレッド役の子の人の話を聞かずに先走ってしまう可愛さだけでなく、モブの運転手や部長さんも独特の存在感があってとてもいい味わいがあります。
「棚の上のなにか」 「ダイスの神様」 「受話器の向こう」 「伊賀の迅雷」 「蓮華香」 「公衆トイレで」 「草むらの血」 「雨を見たかい?」 「負けるな駿河マリナーズ」 「兎は寂しくても死なない」 「ひみつのチャイナ」 「けれどなお、物語は君を讃える」 タイトルだけ見てもジャンルがバラバラなことが分かりますね。ページ数も違うし、ギャグだったり、感動的な人間ドラマだったり、セリフなしのサイレント漫画だったり、こんなに内容が違うものを一人の作者が描いたのかと驚きました。 私が好きだった短編は…自分のせいで大事な試合に負けてしまったトラウマで引退した野球選手がボードゲームに出会って負けることを克服する「ダイスの神様」、詩的なタイトルなのに下ネタギャグ漫画だった「雨を見たかい?」、駅の伝言板に小説を書き続けた女子高生と駅員のヒューマンストーリー「けれどなお、物語は君を讃える」です。