あらすじ義妹・初穂(はつほ)への想いを自覚し苦しむ一(はじめ)と、躊躇せず一を気持ちをぶつける初穂。今までお互いみつけられなかった「居場所」となり、深まってゆくふたり。「高校を卒業するまで、待つ」―――未来への約束を交わすが、悪意に満ちた匿名の告発文が職場と学校に届き……? とめられないふたりと、それを許さない周囲。追いつめられた一と初穂が向かった先は……。静かに熱く紡がれる、かけがえのない〈ふたり〉の物語、堂々完結。
母を亡くし、恋人に裏切られ、仕事を失って、人生どん底になったら、自分を捨てたはずの父親が迎えに来た。血の繋がらない13歳の妹と一緒に。最初は主人公のことを拒絶していた妹だったが、次第に2人は惹かれ合っていくようになる…。私のつたない説明だとエロ漫画みたいな展開を想像させてしまうかもしれませんが全然そんなんじゃないです。でもすごく人間的な生々しさがあります。 今回久しぶりに読み返して気づいたのはセリフが少ないということですね。説明的なセリフがない。モノローグがない。絵だけで魅せてるシーンが多いんですが、その絵もシンプルです。でも魅せ方が上手いので、兄妹の恋愛という重量感があるストーリーでも大味にならずに、些細な心の動きに集中しながら読み進めることが出来ます。2人が惹かれ合ったりするきっかけが一つの場面だけじゃなくて、心情の変化の重なりによってそうなってるので自然なんです。 ラストもいいんですよね〜。6年後を舞台にした第2章を描いて欲しいです。