あらすじ

祖父が亡くなったことにより喫茶店を継ぐことになった市井さん家の長女、かりん。過去のトラウマを克服しようと「名古屋散歩」を試みる次女のくるみ。未熟な姉妹が寄り道しながら成長する「姉妹散歩」物語、第2巻!
かりん歩 1
忙しい両親に代わって、幼い頃から妹・くるみの世話をしてきた姉の市井・かりんは、妹の手がかからなくなると同時に自分のすべきことを見失ってしまう。さらに、喫茶店のマスターでもある理解者の祖父が倒れ…!?
かりん歩 2
祖父が亡くなったことにより喫茶店を継ぐことになった市井さん家の長女、かりん。過去のトラウマを克服しようと「名古屋散歩」を試みる次女のくるみ。未熟な姉妹が寄り道しながら成長する「姉妹散歩」物語、第2巻!
かりん歩 3
喫茶店を継ぐことになった市井さん家の姉・かりんと、頼りない姉を手伝う妹のくるみ。未熟な姉妹が散歩をしながら悩みと向き合う「姉妹さんぽ」物語、第3巻!
かりん歩 4
喫茶店を継ぐことになった市井さん家の姉・かりんと、頼りない姉を手伝う妹のくるみ。未熟な姉妹が散歩をしながら悩みと向き合う「姉妹さんぽ」物語、最終巻!
恋は論破できない

恋は論破できない

友人ゼロ。人付き合いも下手。ネットを心のよりどころにする現人が恋をしたのは、わけあってインターネットでのコミュニケーションがいっさい取れない少女、和だった。繋がる方法は「黒電話」…? 一体どうしたら彼女と仲良くなれるのか、立ちはだかる壁は高く…!? もうひとつのおはなし、高校生の和を描いた『和さんは日和らない』も同時収録!! ※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
高杉さん家(ち)のおべんとう

高杉さん家(ち)のおべんとう

オーバードクターの温巳は、従妹で12歳の美少女、久留里を引き取る事になった。何事にも遠慮がちで自分を他人に開かない久留里と、何事にも要領の悪い温巳。ふたりは共同生活の中で、おべんとうを通じて心を通わせていく。バリエーション豊かなおべんとうのレシピと、不器用な30男と12歳少女と彼らを取り巻く人々のちょっとラブありコメディ!
連鎖 MODERN ENIGMA 柳原望短編集

連鎖 MODERN ENIGMA 柳原望短編集

柳原望の未収録作品集、待望の刊行!描き足しを含む決定版!「時間列車で旅をする」と「連鎖MODERNENIGMA」を収録。どちらも少し不思議で、しかし人の心のからまりを描く、良質の物語。のほほんだけではない、でも冷酷じゃない。人々を温かな目線と奇想に満ちた設定で魅せるハートフルな柳原ワールドへのよき手引書となる一冊!
一清&千沙姫シリーズ

一清&千沙姫シリーズ

時は戦国。お輿入れ目前の千沙姫は、まだ見ぬ花婿に期待いっぱい!ところが許婚の一清様は急の戦に出陣してしまい…!?戦国時代のガール・ミーツ・ボーイ『一清&千沙姫』シリーズ5編に、初々しい新婚の二人を描く特別描き下ろし『お伽話の夜』を収録★一清&千沙姫シリーズ第1弾!!
とりかえ風花伝

とりかえ風花伝

時は戦国。乾山の娘・風花は領主の父の加勢を乞うため、鬼と噂される白鬼丸を訪ねる。断わる白鬼丸ともみ合った風花は足を滑らせて谷底へ落ち、偶然体が入れ替わってしまう。戦場で大勝した風花は、立ち去ろうとする白鬼丸に、一緒にいて欲しいと頼むが…。
とりかえ風花伝 完結編

とりかえ風花伝 完結編

戦国時代の尾張地方。乾山城主の娘・風花は、異形の天才軍師・白鬼丸に助力を求めるが、なぜか二人はキスをすると中身が入れ替わってしまう関係に…。そんな風花に勝幡のキレ者城主・織田信貞が求婚!…厳しい戦の続く世の中を力強く生きる人々を描いた、柳原望のハートフル戦国ロマン『とりかえ風花伝』(花とゆめコミックス全3巻)の「その後」の物語。
まるいち的風景

まるいち的風景

家電メーカー「KAMATA」が開発した行動トレース型家庭用ロボット『まるいち』。でも発売以降、様々な事件が起こって開発室は毎日てんやわんや!笑いと感動がいっぱいつまったハートフルROBOストーリーが文庫化単行本未収録エピソード「無人島まるいち」「愛しい擬態語」も収録!!
理不尽のみかた

理不尽のみかた

検察審査会の事務官・縁(えん)は、理不尽だと訴えてくる「お客」から怒りをぶつけられる毎日。そんな日々も、夫から勝手に別れを告げられた過去も、流して呑み込んできた。が、ある日、隣に日本オタクのイギリス人が越してきて、何かが変わり始める…!笑いあり、涙ありで、心のデトックスができる!と評判の、非リア充たちのヒューマン・コメディ。
かりん歩
散歩で前進する人生
かりん歩 柳原望
名無し
名古屋には何年も住んでいたので、 名古屋を舞台にしたお散歩漫画と知って読んでみた。 予想とは全く違う面白さが数倍詰まっている漫画だった。 かりん(主人公)は妹が大好きで、大学4年生になるまで 妹のお世話ばかりで生きてきた。 だが妹の高校進学や、かりんの就職活動の不調、 喫茶店を営む祖父が倒れたことなどから、 妹離れや自身の自立を目指し喫茶店経営を継ぐことにする。 だが、成長しつつもトラウマも抱えている妹、 けして楽な経営状態ではない喫茶店など、 かりんの前に、そしてかりん自身に問題点が山積み。 それでも前進しようと踏み出したかりんの一歩は、 なぜか散歩としての歩みとなっていった(笑)。 かりんは散歩をすることで、自身や周囲の問題解決への道を 見つけていくことになる。 散歩は普通は、気晴らしとか暇つぶしに行うもので、 癒し的な効果はあると思う。 問題解決策を得る手段としては決して積極的で合理的ではない。 そもそもそういった目的での散歩は野暮だと思っていた。 かりんは、喫茶店経営のために地理学を活かした リサーチ手段として散歩を始める。 それを見て自分は、そういうストーリーもありだろうけれど、 随分と野暮な散歩話だな、と好感は感じなかった。 これでこの先の話が 「街並みの中に商売繁盛のヒントを見つけた」とか 「散歩の途中で迷子の子供を助けたら親が喫茶店の  常連になってくれた」とか 「老人ホームを発見して、そこの集会に喫茶店を  使ってもらえるようになった」とか 都合が良すぎる展開で進んだらつまらんなあ、とか思った。 そんな薄っぺらい話になったら散歩も地理学リサーチも 舐めているとしかいえないな、と。 だがそういったベタな展開は、ほぼなかった。 勿論なかには都合よく人や物と出会う話もあったが、 それはワザとらしいものではなく、そしてその出会いが導く 話の流れはごく自然で面白い展開になっていった。 このへんはホントに作者は上手いなあ、と思った。 なにせ、どちらかというと察しが悪く、 むしろ人間関係を破壊しかねない、かりんを 嫌味がないので「教えてあげたくなる娘」に描いているし。 こういう娘ならば、道や史跡について話をしてあげたくなる。 そしてそういう展開なので、街や史跡に関する説明シーンも 唐突だったり無理矢理だとか感じない。 その名古屋の歴史的な薀蓄もハイレベルみたいだし (自分はそもそも歴史知識が多いほうでもないが  この漫画の名古屋学的な知識の量と深さには恐れ入った) 勿論、漫画としての絵もとても上手い。 人間関係も深く描いている。 なにより散歩は楽しむものだ、という点が揺らいでいない。 自分に馴染みがある場所を舞台にした漫画らしいから、 当初はそれだけの理由で読んでみたのだが、 なんだか自分が好きな漫画の要素が ほぼ全方位的に想像を上回っていて、 とても面白かった。
かりん歩
妹と喫茶店と名古屋散歩!
かりん歩 柳原望
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
今まで妹の世話一筋だった市井かりん。大学卒業を目前にした彼女が希望した進路は、亡き祖父の喫茶店を継ぐ事だった。目指すは常連客ゲット!名古屋の街を「地理散歩」しながら人の縁を繋ぐ、かりんと妹・くるみの成長物語。 ----- 名古屋の食習慣の中でも有名なのが「喫茶店のモーニング」だろう。おつまみ付きは序の口、トーストに始まり果てはうどんまで、そのサービスは余りに過剰である。 かりんの経営する喫茶店のモーニングは、これも有名な「小倉トースト」。更に常連一人ひとりに合わせたサービスを提供するも、前店長の祖父が亡くなってからは、客足が遠のきつつある。 常連客の一人、地理学の大家で今は一線を退いている風谷の元には、彼を慕って教え子たちが訪れる。大学でかりんを教えたこともある高杉、ゼミ担当教員の小坂、学部長の香山……(そしてあの人も?) 『高杉さん家のおべんとう』の面々が集まり、教室ではポヤンとしていたであろうかりんに、商圏や顧客行動分析、そして眼前の人と丁寧に向き合うことを教える。 実学としての地理学を示されたかりん。 課題はふたつ。 ●困難な人間関係を和して、店を切り盛りできるか ●トラウマから一人で動けない妹・くるみを救えるか ……これらが地理学でどうにかなるのかどうか、是非ご一読を。 前作『高杉さん家のおべんとう』ではあまり取り上げられなかった「名古屋」散歩をがっつり堪能しながら、いつの間にか人の心の核心に触れている、物語の妙を楽しみたい、そんな作品だ。