『女帝』『夜王』の原作者・倉科遼が憧れる人がいる。それは、三島由紀夫が憧れ、谷崎潤一郎が師に仰いだ、明治・大正・昭和を生きた文豪・永井荷風であった――!! 生涯何物にも囚われず自由を享受し、男のわがままを貫き通した荷風のように、男としてありのままに、本能のままに生きてみないか? “夜の帝王”倉科遼が物語り、当代最高の官能絵師・ケン月影が描くセンセーショナル告白漫画。いま“夜の帝王”が、そのすべてを赤裸々に告白する――!
第二幕「荷風のあがき」開幕!!! 青年期の葛藤(かっとう)を乗り越えた荷風の壮年期!! 41歳の荷風は麻布市兵衛町(現・六本木一丁目)に 洋館「偏奇館」を新築し、“終(つい)の棲家(すみか)”とする。表向きは、作家業に専念する家であったはずである。だが、“人間の本能”とどこまでも向き合った荷風のことだ。そう簡単に行くはずがない。壮年期を迎えた“荷風のあがき”が、いま始まる――― 事実と永井荷風作品を基にした 評伝的フィクション第2集!!
老境を迎えた荷風が向かったのは、隅田川の向こう側・墨東。そこにある玉の井銘酒屋街に通い詰めた荷風は、お雪という私娼に出逢い、恋に落ちる―― それは、まさしく「自分の人生には文学と恋しかない」と言った荷風の最後の恋だった。さらに、原作者・倉科遼の『女帝』誕生秘話を本邦初告白。さらにさらに、週刊ポスト掲載の『荷風になりたい』特別編も所収。枯れた男を赤裸々に描く話題作、一気にヤマ場へ!!
偏奇館から焼け出され、命からがら西へと逃れた荷風。戦後、荷風はその伝説的な死を迎えるまで荷風らしくその人生を生き抜けた。最終章・第4部[荷風の永遠]開幕!!!
本作は一本の連続物語ではなく、これを読んでもわかるのは永井荷風の事ではなくそれに憧れたある漫画原作者の一途な想いである。 「女帝」を始めとした夜のマンガの原作では帝王と言っても過言ではない、倉科遼が、自身の思い出や体験、思い返す瞬間などから自身が憧れ、成りたいと思っていた文豪・永井荷風に重ねて想いを寄せるというどこか走馬灯のような作品。 時代も大きく影響しているし、銀座のクラブ通いも大人過ぎてわからない、という色んな意味で別世界すぎる話なのだが、人間が憧れの人間に陶酔し、自身を重ね、弱さや脆さ、かっこ悪いところも含めて深く掘りながら夢中になっている様はとてもおもしろい。 ましてやそれが倉科遼という夜の帝王(ちょっと語弊があるけど)なので興味深いもので、実際倉科先生という人物も読者から見たら憧れられてもおかしくない存在だな、と本作を読めば更に印象づくのではないかと思います。
本作は一本の連続物語ではなく、これを読んでもわかるのは永井荷風の事ではなくそれに憧れたある漫画原作者の一途な想いである。 「女帝」を始めとした夜のマンガの原作では帝王と言っても過言ではない、倉科遼が、自身の思い出や体験、思い返す瞬間などから自身が憧れ、成りたいと思っていた文豪・永井荷風に重ねて想いを寄せるというどこか走馬灯のような作品。 時代も大きく影響しているし、銀座のクラブ通いも大人過ぎてわからない、という色んな意味で別世界すぎる話なのだが、人間が憧れの人間に陶酔し、自身を重ね、弱さや脆さ、かっこ悪いところも含めて深く掘りながら夢中になっている様はとてもおもしろい。 ましてやそれが倉科遼という夜の帝王(ちょっと語弊があるけど)なので興味深いもので、実際倉科先生という人物も読者から見たら憧れられてもおかしくない存在だな、と本作を読めば更に印象づくのではないかと思います。