あらすじ

6年ぶりにあの黒猫探偵ブラックサッドが帰ってきた! シリーズ初の前後編エピソード ニューヨークに戻ったブラックサッドを待つのは、複雑極まりない難事件。政治、組合問題、マフィアとマスメディアが絡み合い、事態は思わぬ展開へ。事件解決に挑む中で、ブラックサッドの運命も突き動かされる! ニューヨークに戻ったブラックサッドは野外舞台の公演を観に来ていた。そこに警察が乗り込み、公演を中断させてしまう。ブラックサッドは事態を見て、力になれればと劇団の代表であるアイリスに名刺を渡した。しかし、数日後に彼を訪れて来たのはアイリスではなく、彼女の友人のケネスだった。彼は地下鉄の労働組合の委員長で、身の危険を感じ、ブラックサッドにボディガードを依頼しに来たのだった。ケネスの周辺で何が起こっているのか調査を進めていくと、ニューヨークの地下鉄労組と街の有力者で「建築王」と呼ばれているソロモンとの確執に気づく。いっぽう相棒のウィークリーは劇団の若手女優と親しくなり、別の線からソロモンに近づくのだが……。
ブラックサッド(1) 黒猫探偵

私立探偵ブラックサッドは警察のスミルノフに呼ばれ殺人現場に向かう。被害者はかつての恋人ナタリアだった。スミルノフの忠告をよそに、ブラックサッドは独自に事件を調べることにする。しかし殺害現場に残された手がかりはなく、ブラックサッドは以前ナタリアの用心棒にと紹介したボクサーのジェイクの所に向かう。調べていくうちにブラックサッド自身にも危険が… ブラックサッドはかつての恋人の無念を晴らすことができるのか? 50年代のニューヨークを舞台に、登場キャラクターが全員動物という斬新な設定のハード・ボイルドBDの記念すべきシリーズ第1巻。

ブラックサッド(2) 極北の国

ケダモノたちの人間喜劇。黒猫探偵ブラックサッドの活躍を描くハードボイルド・シリーズ第二作新装版! 白人至上主義が横行する町で起きた黒人少女失踪事件。その裏に隠されたある悲劇の物語とは!? 極上の絵と胸打つストーリー。1950年代のアメリカ。私立探偵ブラックサッドは、大都会の郊外の教師から奇妙な依頼を受ける。女子生徒のひとりが行方不明になったのに、母親から届けも出ていないと言う。調査に乗り出したブラックサッドは、≪ザ・ライン≫が住民の肌の色に基づく徹底的な差別主義に侵されていることを知る。少女誘拐事件の裏に隠された謎とは? 原作者フアン・ディアス・カナレスも「唯一無二の親友」と認めた相棒ウィークリーも本書で初登場。

ブラックサッド(3) 赤い魂

真島ヒロ氏絶賛!! 「生き生きとした動物たちの表情、そして圧倒的な画力。このBDを日本のマンガファンへ!!」(真島ヒロ)冷戦期のアメリカ、ニューヨーク。獣たちがうごめくこの大都会で、人々の欲望に翻弄されつつも、闇に立ち向かう男の姿がある。彼の名はブラックサッド。黒猫の探偵である。ある日、ブラックサッドは、かつての恩師オットー・リーバーと再会する。核の平和利用を提唱するリーバーは今や時代の寵児。左翼の知識人の仲間たちと「十二使徒」なるグループを結成して活躍している。彼らの中には詩人、科学者、そして紅一点の女流作家アルマらがいた。アルマの恋人で実業家のゴットフィールドが彼らを支援している。しかし、政府筋には彼らのことを快く思わない者もいた。赤狩りの波がじわじわと迫る中、メンバーの一人が暗殺される。やがて危険はリーバーの身にも……。はたしてブラックサッドは彼を守ることができるのか!? スペイン出身の作家フアンホ・ガルニドの作画が冴えわたる大人気ハードボイルド・バンド・デシネの第3弾! 孤高の探偵ブラックサッドが核問題に挑む。そして新たな恋の予感も……。

ブラックサッド(4) 地獄と沈黙

偉大なる黒猫探偵『ブラックサッド』の第4巻!! 村田雄介氏絶賛!! 「それぞれの動物の特徴を見事にとらえつつ、「あっ、こんな人いるなぁ」という人間のカリカチュアにも見える。相反する筈の要素が高いレベルで同時に成立し矛盾しない。これぞ天才の仕事!」村田雄介(漫画家)【ストーリー】冷戦期のアメリカを舞台に活躍する孤高の黒猫探偵ブラックサッド。ある日、彼は、一代で巨大レコード会社を築いた ファウスト・ラシャベルから行方不明の天才ジャズピアニスト、セバスティアン・フレッチャー探しの依頼を受ける。彼はすぐさま相 棒のウィークリーと調査に乗り出すが謎を追ううちにセバスティアンが抱えていた秘密の存在が明らかになる。ふたりの前に立ちふさがる謎の探偵リーマン、ファウストの息子トーマス、いかがわしげな女占い師マダム・ジブラルタル…… 彼らの目的は? ファウストの依頼の隠された真実とは? 南部アメリカ、ルイジアナの明るい太陽のもと、ジャズの街ニューオリンズを舞台に、ブラックサッドは無事セバス ティアンを見つけ出すことが出るのか? スペイン出身の作家フアンホ・ガルニドの人気ハードボイルド・バンド・デシネ『ブラックサッド』シリーズ第4弾! 作者自身がページをめくるごとに音楽が聞こえてくるようだと称した名作。

ブラックサッド(5) アマリロ

偉大なる黒猫探偵『ブラックサッド』の第5巻 !! 「ブラックサッド、ルート66を行く」【ストーリー】ブラックサッドは落ち込んでいた。逃避に最適なのは旅に出ること。いざ、冒険満載の新たな世界へ…… そして再会も旅の行く末に再生はあるのか? 冷戦期のアメリカを舞台に活躍する孤高の黒猫探偵ブラックサッド。ニューオーリンズでの事件を解決したブラックサッドは、相棒のウィークリーと別れ、しばらくは殺人とは無縁の仕事を探すことにして現地にとどまる。奇しくもそこに金持ちの男が現れ、空港から自宅まで自分の車を運んでくれないかと頼んでくる。二つ返事で引き受けたブラックサッドはその黄色いキャデラックに乗りルート66を走るが、途中ほんのわずかな隙にふたり組みの男たちに車を奪われてしまう。はたして、ブラックサッドは無事車を取り戻せるのか? そして自動車泥棒のふたり組みとは何者なのか? 第3巻の「赤い魂」に登場した刑事も交えての逃走・追跡劇の結末は? また新たに明かされるブラックサッドの過去と家族の秘密の一部――。スペイン出身の作家フアンホ・ガルニドの人気ハードボイルド・バンド・デシネ『ブラックサッド』シリーズ第5巻! タイトルの『アマリロ』は今回の舞台の地名だが、スペイン語の黄色という意味もあり、この巻のメインカラーを提示している。

ブラックサッド(6) そして、すべて堕ちる[前編]

6年ぶりにあの黒猫探偵ブラックサッドが帰ってきた! シリーズ初の前後編エピソード ニューヨークに戻ったブラックサッドを待つのは、複雑極まりない難事件。政治、組合問題、マフィアとマスメディアが絡み合い、事態は思わぬ展開へ。事件解決に挑む中で、ブラックサッドの運命も突き動かされる! ニューヨークに戻ったブラックサッドは野外舞台の公演を観に来ていた。そこに警察が乗り込み、公演を中断させてしまう。ブラックサッドは事態を見て、力になれればと劇団の代表であるアイリスに名刺を渡した。しかし、数日後に彼を訪れて来たのはアイリスではなく、彼女の友人のケネスだった。彼は地下鉄の労働組合の委員長で、身の危険を感じ、ブラックサッドにボディガードを依頼しに来たのだった。ケネスの周辺で何が起こっているのか調査を進めていくと、ニューヨークの地下鉄労組と街の有力者で「建築王」と呼ばれているソロモンとの確執に気づく。いっぽう相棒のウィークリーは劇団の若手女優と親しくなり、別の線からソロモンに近づくのだが……。

ブラックサッド(7) そして、すべて堕ちる[後編]

50年代のアメリカを舞台に、登場キャラクターが全員動物という斬新な設定のハード・ボイルドBDの記念すべきシリーズ第7巻『ブラックサッド―そして、すべて堕ちる[後編]』! シリーズ初の前後編エピソード 驚異的なクライマックスで、この見事な二部作は幕を閉じる! フアン・ディアス・カナレスの計算しつくされた緻密な物語構成とフアンホ・ガルニドの美しい色合いで描かれるニューヨークの街。『ブラックサッド そして、すべて堕ちる』(前編)はアルマの登場という衝撃で終わった。彼女はなぜニューヨークに戻ってきたのか? ケネスに続き、劇団代表のアイリスまでが殺され、その罪をウィークリーが着せられてしまった。相棒の無実を証明するためにブラックサッドは、時には警察の妨害に遭いながらも奔走する。その間も大建築王ソロモンの都市計画は順調に進む。劇団、労組、マフィア、警察、病気の少年。複雑に絡み合った糸が次第にほどかれて、すべてが明らかになったときの衝撃。そしてアルマとブラックサッドの運命は? フアンホ・ガルニドによる特別なイラスト集「ブラックサッド・ギャラリー」も同時収録!

ブラックサッド

マンガ家にファンが多い(気がする)海外マンガ

ブラックサッド 大西愛子 ファン・ディアス・カナレス フアンホ・ガルニド
ANAGUMA
ANAGUMA

メビウスとかマイク・ミニョーラみたいになんとなく「日本のマンガ家のあいだで名前が通っている海外マンガ(家)」ってのがあると勝手に思ってるんですけど『ブラックサッド』はその中ではまだまだ知られていないとさらに勝手に思っています。なので今日このクチコミを読んで知ってほしい。 マンガ家に人気の理由の一端はページを開いてすぐわかるんですけど、作者は元ディズニーのアニメーターでとにかくべらぼうに絵がうまいです。 その絵のうまさも、正確な形を描き出すデッサン力、演出に合わせた色彩感覚、決まりまくった画面構成(レイアウト)…と、もう絵を描く人だったら喉から手が出るくらい欲しい物が全部網羅されています。 まず動物擬人化ものって技術がないとどうしてもコミカルにやりがちというか、生き物の構造を無視した描き方に逃げちゃうことが多いというか…写実とデフォルメのバランスが難しいジャンルだと思うのですが、本作の場合は動物がきちんと描けるひとなんだなというのが一瞬で理解できます。 海外マンガに慣れてない人が敬遠しがちなフルカラーも色合いが水彩ぽくてソフトですし、各場面に合わせた演出としてコントロールされているので違和感なく読めるんじゃないかなと思います。「マンガを読む」という行為を邪魔しない、むしろ上手に手助けするような色使いがされています。 色合いとダブルで効いているのがパキパキとしたカメラアングル。作品のハードボイルドなテイストにすごく合っていて、この辺りも映像畑出身の方の上手さだな…と舌を巻いてしまいます。 …とダラダラと書いてきましたがひとまず試し読みで見てほしい作品です。海外マンガ、「百聞は一見にしかず」タイプの作品が多いですが、そのなかでも『ブラックサッド』は特に「見たらわかる!」度が高いマンガだと思うので…。