あらすじ「あんたがまだそんなことやってるとは思わなかったわよ。雪。」…“ずっと相思相愛でいられる相手”を探し生きる雪(ゆき)の前に現れたのは、女子高生の姿のままの姉、零(れい)。“相思相愛の相手”を探し続ける雪をあざ笑う零と、刹那的な生きたかを続ける零を心配する雪。2人の生き方を分けたのは――。彼女たちの幼き日、そして、自分たちの性(さが)を知った日の物語「分水嶺」。そこから導かれる、零の物語。『雪女幻想 みちゆき篇』から続く、安堂維子里の「雪女幻想シリーズ」完結篇。電子限定配信。
ある日突然気立ても良く器量も良い女が男の元に現れて嫁になる。周囲の人から羨ましがられるほどのいい女なんだが、実は一生を添い遂げられる男性を探す雪女。 悪さは全くせずむしろ本当にこんな嫁が欲しいって思うほど家のこともしてくれるし、仕事の手伝いもしてくれる最高の女なんだが、男が浮気とかをして一生を添い遂げられないとわかると男の元を去ってしまう。 なぜそんな行動を繰り返すのか、はまた物語の中で語られるが、男に裏切られ続ける雪女の切なさが胸に来る作品でありながら、雪女のいう「添い遂げる」ということのハードルが高くて「愛を誓うっていうのはこんなに重たいのか」と少し考えた。 1巻で完結なので読みやすく、結構心に残る作品だった。