あらすじ帰りたくなかった家も、死にたかった朝も、ひとりぼっちの運動会も、ちひろとの出会いがきっかけで、少しずつ景色を変えて…。“のこのこ弁当”で働く元風俗嬢・ちひろ。望むように生きる彼女に出会った人々の、7つの物語。
元風俗嬢であることをお首も隠さないちひろさんが台風の目のように、弁当屋とその周りへ旋風をもたらす、一話完結で語られる人情物語。 人を恐ろしい勢いで魅了していく、ちひろさん。 風俗嬢であったことを隠していたら、バレたときにアレコレ言われそうだから、隠さないちひろさんの対応はある意味正解だったのかもしれない。 主人公のちひろさんをもっと知りたくなって、前作「ちひろ」も読んだけど、やっぱり、ちひろさんという存在はふわふわしたまま。 いるけど、突然いなくなりそうな人。 でも、老若男女問わず惹かれる魅力を持つ人。 突然、深淵を見たかのような瞳をする人。 ちひろさんがおもしろいので、マンガ「ちひろさん」のおもしろさは増していると思うのだけど、文章力が足りず、一度読んでみて!としか言い表せないのがもどかしい。 ちなみに、2023年2月に映画「ちひろさん」が上映される。 作者とコナリミサトさんとの対談記事を読む限り、原作のちひろさん像から乖離することはなさそうで安心した。