労働系女子マンガ論!第12回 『繕い裁つ人』池辺葵〜 アイデンティティとファッションの関係性 | タバブックス
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ファッション——それは、女たちに向けて描かれたマンガが、恋愛の次くらいに重用しているテーマです(注1)。 古典的な少女マンガには、必ずと言っていいほどデコラティブなドレスを着たお姫様が登場し、読者を夢の世界へ誘ってくれます。少女向けストーリーマンガの祖先とも言われる手塚治虫『リボンの騎士』や、フランスを舞台にした歴史ロマン、池田理代子『ベルサイユのばら』などを見ても、それは明らか。ど派手なドレスを身にまとった登場人物に感情移入することは、ごくふつうの服を着た庶民である自分をつかの間忘れさせてくれるものです。