あらすじ

生物を溶かす薬を短筒に仕込み、江戸の人々を次々と溶かしていく一味が現れた。その一味の首領は海賊の海王丸。彼は江戸の町を恐怖に陥れ、幕府を倒すことを目論む。一方、鈴之助は母と師の周作の許しを得、一平太の郷里、薩摩へ旅立つ。海路、薩摩へと向かう船に乗った鈴之助たちの行く手に、日本一の海賊と豪語する、黒潮波衛門の海賊船が迫る!!
赤胴鈴之助(1)

道場破りに果敢に挑んだ少年、金野鈴之助だが、いとも簡単に打ち負かされてしまう。その道場破りは道場主の友人で江戸の千葉周作の高弟、横車押之助であった。鈴之助に見所があると感じた横車は、千葉道場への入門を勧める。道場主から亡父の形見である赤胴を渡され、江戸は神田お玉が池の北辰一刀流、千葉周作の道場に入門した鈴之助!!

赤胴鈴之助(2)

千葉周作道場で剣の修業をすることになった鈴之助。昇段試合で鈴之助に敗れた兄弟子の雷之進は、酔ってケンカをし、道場を破門される。それから鈴之助は毎日、心の修業と剣の修行に励み、1年が過ぎた。鈴之助に逆恨みをする雷之進は、兄の宝蔵院流の槍の名手、岳林坊らと鈴之助に果たし状を送りつける。師の千葉周作に陰ながら別れを告げ、兄弟が待つ妖魔ヶ原へ向かう鈴之助。

赤胴鈴之助(3)

武者修行の旅に出た鈴之助は飛鳥流の達人、大烏赤心斎に真空斬りの秘術を学ぶため、苦しい修業を。だが、赤心斎は火京物太夫に銃で撃たれ、死亡。仇の物太夫を探す鈴之助は、ある宿場町で、いなずま斬りという凄い剣を使う雷之進の噂を耳にする。再会した雷之進は宿命の対決を。鈴之助の真空斬り、雷之進のいなずま斬り、勝負の行方は!?

赤胴鈴之助(4)

旅の途中の鈴之助に、師である千葉周作から手紙が届く。千葉が病に臥せているのをいいことに、毎日のように道場荒らしがやって来るので、早く帰ってほしいとの内容であった。鈴之助が帰った日も、鬼面党の一味が道場破りに。心を入れ替えた雷之進と共に道場を守るが、二人の腕を知った鬼面党は仲間に引き入れるため、鈴之助の母、お鈴を誘拐する…。

赤胴鈴之助(5)

鬼面党一味を剣豪・桃井春蔵の助けで壊滅させた鈴之助と雷之進だが、副首領が逃げ出し行方不明に。その副首領を捕えるため、鈴之助と雷之進は剣の修業を兼ねて旅に出ることに。途中、山の中で鉄玉で猿を狙う山田岩心斎と出会う。傷を負った猿を助けた鈴之助と雷之進は、岩心斎と闘うことに。岩心斎が猿を狙う理由とは!?

赤胴鈴之助(6)

鬼面党一味の残党を退治した鈴之助、雷之進は城下町で千葉道場や鈴之助を罵倒する鹿島一刀流指南の洒賀好兵衛を懲らしめる。だが、洒賀は卑怯な手を使い、鈴之助たちに仕返しを企む。洒賀が雇った忍者に鈴之助は捕えられるが、石火電光流の使い手、鎌田板血郎に助けられる。この噂が城主の耳に入り、鈴之助と板血郎は試合を強要される。

赤胴鈴之助(7)

鈴之助と板血郎は猫背ガ丘で試合うが、勝利は鈴之助に。鈴之助の次の試合相手は城中指南役、賀丹土進エ門。賀丹の弟子たちは師が鈴之助に敗れることを恐れ、闇打ちを仕掛けるが、鈴之助に一蹴される。だが、そこに現れた覆面の怪人が鈴之助に襲いかかる。そして助太刀に現れたのは、なんと賀丹であった。怪人は短筒を取り出し、鈴之助を!!

赤胴鈴之助(8)

江戸に戻る鈴之助と別れ、叔母が住む日の出村に立ち寄った雷之進。その叔母の息子、芋助が覆面の武士にさらわれてしまった。芋助を助けるため、村外れへ馬で向かった雷之進だが、覆面の武士は短筒を取り出し、撃たれた雷之進は崖から落ちてしまう。一方、師の天野昇竜斎と千葉周作に心がけの正しさを説かれた板血郎は一人悩むが…。

赤胴鈴之助(9)

雷之進の従弟、芋助をさらった一味の不思議な剣法、天馬回転を使う北海の火熊と新春の御前試合で闘うことになった鈴之助。秘剣・天馬回転を破る工夫を考え、野原を彷徨う鈴之助の背後から北海の火熊が迫る。危うしの鈴之助。一方、芋助を探す雷之進は、さらった一味の隠れ家を突き止め、黒雲峠へと。芋助を無事に助けることができるのか!?

赤胴鈴之助(10)

能面の白頭巾こと千葉周作の助けで、芋助や雷之進を無事救い出した鈴之助。芋助を日の出村に送る雷之進と別れ、鈴之助と周作は江戸へ向かう。途中、二人の前を歩く法師が突然倒れ、法師を助けようとした周作が腕を押さえて苦しみ出した。周作の腕には吹き針が。法師は幕府の隠密と言い、その懐の中には図面と将軍への報告書が!!

赤胴鈴之助(11)

鈴之助の母、お鈴が住む長屋に芋山十内という浪人が二人の子供、おはると千太郎と仲良く暮らしていた。ある夜、内職の人形を届けに出かけた十内の前に、月夜の虎と名乗る辻斬りが現れ、十内は斬殺されてしまう。十内を斬った辻斬りを探す鈴之助に、月夜の虎が声をかけてきた。剣を当てずに相手を倒すという無刀流に立ち向かう鈴之助!!

赤胴鈴之助(12)

月夜の虎と名乗る辻斬りと同じ無刀流を使い、江戸の道場を荒らし回る西郷一平太。月夜の虎に父を惨殺された、おはると千太郎の助太刀をし、月夜の虎を討とうとする鈴之助だが、師の周作に破門されてしまう。目明しこけしの平七と協力して月夜の虎を追う鈴之助たちは、月夜の虎を見失った直後、またもや一平太が。一平太が月夜の虎と確信した鈴之助は…。

赤胴鈴之助(13)

辻斬りの月夜の虎と疑われた一平太は、同じ無刀流を使う兄弟子の凸珍悪二郎と芝居小屋で出会う。一方、鈴之助は破門されていたが、一人の剣士として師の周作から無刀流を破る極意を教わる。そして、月夜の虎に父、十内を斬殺された、おはると千太郎の仇討ちの助太刀をすると決めた鈴之助は、月夜の虎が何者かを突き止め、芝居小屋へ向かう!!

赤胴鈴之助(14)

生物を溶かす薬を短筒に仕込み、江戸の人々を次々と溶かしていく一味が現れた。その一味の首領は海賊の海王丸。彼は江戸の町を恐怖に陥れ、幕府を倒すことを目論む。一方、鈴之助は母と師の周作の許しを得、一平太の郷里、薩摩へ旅立つ。海路、薩摩へと向かう船に乗った鈴之助たちの行く手に、日本一の海賊と豪語する、黒潮波衛門の海賊船が迫る!!

赤胴鈴之助(15)

日本一の海賊の座を争う、黒潮波衛門と海王丸は、薩摩の国に住む一平太の師、武藤善五郎の財宝を奪うことで協力し、善五郎の家がある高熊山に向かう。だが、海賊たちの前に謎の剣士が現れ、海王丸たちは引き返すことに。一方、浜の漁師に助けられた鈴之助と一平太も、高熊山へと向かうが、やはり謎の剣士が現れ、二人の前に立ち塞がる!!

赤胴鈴之助(16)

生物を溶かす恐ろしい薬を所有する海賊一味を滅ぼした鈴之助たち。ある日、鈴之助は師である周作のもとへ向かう途中、人だかりする道場の中で、道場破りをする男の不思議な剣技を見て驚く。面を取った男の顔は白い覆面で覆われていた。大江戸八百八町で良民を苦しめ、金品を奪う透き通る人間、透明剣士が現れ、人々を恐怖の底に陥れる。

赤胴鈴之助(17)

白い覆面の謎の剣士は、暗闇で着物を脱ぐと見えなくなる透明剣士。鈴之助と同じ真空斬りを使い、道場破りや強盗で金品を巻きあげていた。そして鈴之助は真空斬りの使い手ということから、透明剣士と疑われ、牢に入れられてしまった。透明剣士も真空斬りを使うことを知る雷之進は、老婆の催眠術で行方不明に。鈴之助の死刑の日は3日後に迫る!!

赤胴鈴之助(18)

透明剣士と、その母で催眠術を使う老婆の罠にはまり、無実の罪で死刑になる寸前、護国寺の僧侶たちに助けられた鈴之助。透明剣士の正体を突き止めるため、神風童子となり、江戸の町を探り歩く鈴之助だが、真空斬りを使う妖しい役人に倒されてしまう。嵐大作という浪人に助けられた鈴之助は捕方に囲まれるが、今度は目明しの平七が救う。

赤胴鈴之助(19)

透明剣士を追いつめた鈴之助は、その正体が少年であることに驚く。母と偽る催眠術を使う老婆に利用されていたのだ。一方、北町奉行所では捕えられた鈴之助の母、お鈴が拷問を受けていた。浪人の形をしているが、実は将軍の縁者である嵐大作が鈴之助は無実と訴えるが、証拠がない。そこへ透明剣士の正体が割れたとの知らせが入り、捕方たちは透明剣士の隠れ家へ!!

赤胴鈴之助(20)

ある晩、旗本春風京之進の13歳の娘、はるみが奇怪な男に連れ去られるという事件が起き、偶然通りかかった鈴之助がその奇怪な男を加賀屋敷の前で追いつめるが、遠い星から来たと言い残し、空を飛んで消えてしまった。加賀屋敷には何か重大な秘密があると睨んだ鈴之助。その後、江戸の町では次々と13歳の少年、少女が狙われる。その真相は!?

赤胴鈴之助(21)

北辰一刀流の野見山鉄斎を訪ねるため、旅をする鈴之助と母のお鈴。その前を南蛮笛を吹きながら楽しげな市川菊之丞一座が。だが、一座の命でもある陰と陽の2本の南蛮笛を奪おうと、小太刀を使う玄地三郎が立ち塞がる。鈴之助は真空斬りで三郎を追い払うが、南蛮笛を狙う男たちが、次々と菊之丞一座に襲いかかる。南蛮笛に秘められた謎とは!?

赤胴鈴之助(22)

南蛮笛を所有するたび芸人の市川菊之丞一座を助けた鈴之助だが、その後、市川一座は怪人白まむし一味に皆殺しにされてしまった。そして南蛮笛を持っている鈴之助に、白まむし一味と玄地三郎が迫り来る。一方、行方不明の鈴之助の安否を気づかう母親の鈴や鉄斎やお咲がいる屋敷に、南蛮笛を狙う白まむし一味が襲いかかる!!