あらすじ祖母の遺言を胸に秘め、たったひとりで上京してきた天涯孤独のサブやん。そして、「釘師の神様」と呼ばれていた根岸に師事して、日本一の釘師を目指すことに。そんなある日、サブやんが働く店に玉1個だけを買った奇妙な客が来て……!?大衆娯楽の王様・パチンコに命をかけた釘師・サブやんの娯楽超快作!!
連発式ではなく玉を一発ずつ打ちだすパチンコ台や、ホールに椅子がなく立って遊戯するなど、今とはパチンコ店を取り巻く状況がまるで違う時代のお話。なので釘師である主人公と対決するパチプロやゴト師の技も、今では考えられない必殺技のオンパレード。フックがついた針金や磁石を使うなんて、前近代的なアングラ臭を漂わせてくれるじゃないですか。もちろん、こんな邪道な技だけでなく、まっとうな技を駆使するパチプロもいて、これがまずは主人公・サブやんのライバルになるわけです。それとの対決を経てサブやんが日本一の釘師になるかと思えばそうではなく、悪のゴト集団に狙われ落ちぶれ、右手を負傷。その使えない右手をなんとかしてパチプロと対決するも、禁断の技を使ったため釘師の大物に破門を言い渡され、寺で修行。そして裏社会にスカウトされ…、とまあ暗くはならないもののいかがわしさ満載で、お腹いっぱいになること間違いなし。私たちが今、気軽にパチンコを楽しめるようになるまでには、こんなウラの歴史もあったのか?と、民明書房(by男塾)ばりに思わせてくれますよ。