黒魔術を操る美少女・黒井ミサ。「エコエコアザラク」の呪文が響く時、街で、教室で、何かが起こる……。オカルトミステリーの金字塔がついに登場!
死を覚悟した風子の前に現れたのは、不死の体を持つ謎の男。触れた者に不運を呼ぶ風子の力によって死ぬため、風子と行動を共にすることを決めたアンデッドのアンディだが、二人にある組織からの追手が迫って―!?
自身の死刑を望む高校生・乙骨憂太(おっこつゆうた)。彼は己に憑く怨霊・里香に苦しんでいた。そんな中、「呪い」を祓う為学ぶ学校「都立呪術高専」の教師・五条悟が、乙骨を高専へ転入させ…!? 『呪術廻戦』へと繋がる前日譚、開幕!
私が少年のころ、まわりはオカルトに満ちていたように感じます。「オーメン」「ゾンビ」「エクソシスト」「サスペリア」「マニトウ」という映画を劇場で見た記憶がありますし、江戸川乱歩や横溝正史の小説が手に届くところにありました。また、テレビでは夏になると「あなたの知らない世界」を昼間から放送していましたし、漫画も日野日出志に楳図かずお、つのだじろう、古賀新一のホラー作品をよく読んだものです。こうして挙げてみると壮観ですね。ただ、本作はここにあげた中でも別格。恐怖というより得体のしれない未知の世界を教えてくれた存在でもあるのです。主人公は女子中学生。この黒井ミサという主人公が魔女という噂通りの魔性を備えた女。気に入らないものには容赦なく、死かそれと同等のことで罪を償うことになるという妖しげなダークヒロイン。加えて魔術や呪文、黒ミサなど世界の闇を教えてくれる訳ですから、思春期の精神には蠱惑的でした。今読んでもそのころの刺激的な出会いを思い出してしまう貴重な作品です。