あらすじ

“好き”と言う気持ちを伝え合った純夏と汐。だが、汐は祖母と一緒に暮らすために遠くの町へ、純夏も大学進学を考え、卒業後は二人は別々の道を歩んでいくことに。その中で突如現れる純夏の婚約候補!?純夏は父に、自分の気持ちをきちんと伝えることを決意する。変わらない二人の想いと、変わっていく二人が暮らす世界。そして迎えた高校生活最後の卒業式でついに――!純粋な恋を描いた学園ドラマ、感動のフィナーレ!!
ささめきこと 1巻

優等生として有名な女子高生の純夏には、人に言えない「ささめく」べき秘密があった。それは同級生の汐に真剣に「恋してる」こと。その汐も「女の子が好きな女の子」だというのに、純夏の気持ちにはまったく気付いていない……。ちょっと変わった恋愛観を持つ高校生たちの、甘酸っぱい思春期を爽やかに描く学園ドラマ。

ささめきこと 2巻

朋絵とみやこのカップル(?)に見込まれて、女子の女子による女子のための「女子部」活動に巻き込まれた純夏。隠れ美少女男子(?)の朱宮や、同級生の腐女子・あずさも仲間に加わり、ずいぶんと賑やかになってきた純夏の周囲。でも、汐に対する気持ちは友情と恋心の間を行ったり来たりしたままで……。十代のせつない気持ちを綴る学園ドラマ。

ささめきこと 3巻

学園のウラ社会(?)でまかりとおる衝撃の事実。「体育祭を勝ち抜いたクラスには、学園祭で演し物を自由に選べる権利が与えられる」!?超優秀なアスリート・純夏を擁する1年2組は、一致団結して優勝を狙いに行くが、果たしてその戦果は……?今回は新キャラも参戦。学園モノの王道を極めます!

ささめきこと 4巻

純夏への気持ちに気付きはじめた汐は、訪ねてきた純夏に玄関先で思い切り抱き付いてしまう。あまりのことに混乱する純夏。ところが、汐が後日「あれはね……」と話すことによると……?人を恋うせつなさを描く正統派学園コミック、待望の第4巻。

ささめきこと 5巻

純夏に対する気持ちを自覚し始めた汐。だが、あくまで「友人」であり続けることを選択した汐は、その情熱を胸の奥に秘める。一方、新年度を迎えて部員の勧誘に余念がないのは、「女子空手同好会」の面々。彼女達を横目に、汐の表情は日々物憂げになっていく……。

ささめきこと 6巻

汐への言葉を後悔し続ける純夏。純夏への想いを胸に秘める汐。空手に打ち込むことで気持ちを整理しようとする純夏に対し、熱い想いを抑え続けた汐は、ついに自室でその感情を解放させ、左腕を骨折してしまう。報せを耳にした純夏は、授業中の教室を飛び出して……!?人を恋う気持ちを優しく綴る学園ドラマ、新展開。

ささめきこと 7巻

遂に想いが通じ合った純夏と汐。二人の様子を見て、自身の変化に気付くマユとそれを見つめる恋乃……。「いつもまっすぐ感じたまんま」恋乃の言葉に、決意を固めるマユ。季節は秋となり、純夏は生徒会長選挙に立候補することになるが、対立勢力が純夏の評価を下げるために怪しく蠢く。想うことを描いた学園ドラマ、ささめきは次第にざわめきへ――。

ささめきこと 8巻

生徒会長選挙を前に、対立勢力に“噂”を流され妨害される純夏。その対策として挙がったのは――朱宮くんとのデート!?みんなの協力で、純夏はなんとか選挙当日を迎えるが……。「守りたい」「偽りたくない」「でもどうやって」理想と現実の間でせめぎ合う純夏と汐の気持ち。密やかな恋を描いた学園ドラマ、更なる一歩を踏み出して。

ささめきこと 9巻

“好き”と言う気持ちを伝え合った純夏と汐。だが、汐は祖母と一緒に暮らすために遠くの町へ、純夏も大学進学を考え、卒業後は二人は別々の道を歩んでいくことに。その中で突如現れる純夏の婚約候補!?純夏は父に、自分の気持ちをきちんと伝えることを決意する。変わらない二人の想いと、変わっていく二人が暮らす世界。そして迎えた高校生活最後の卒業式でついに――!純粋な恋を描いた学園ドラマ、感動のフィナーレ!!

ささめきこと

残酷な世界は二人を祝福するか?

ささめきこと いけだたかし
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

百合作品には大きく二種類あります。一つは女性ばかりの世界で、同性愛が当たり前とされる物。もう一つは異性愛者が多い世界での同性愛を描く物。『ささめきこと』は後者です。 『ささめきこと』は同性愛を「異質」とする、少し古く見えて今もそう変わらない現実世界を描きます。愛らしいコメディタッチの中に、時折キツい正拳突きを繰り出します。 女子に恋した主人公は、空手の猛者で可愛さとは無縁。主人公が恋した女子は同性愛者で、その事で傷ついた過去を持つ反面「可愛い女子が好き」と公言して主人公を傷つける。 さらに同性愛に理解の無い人、興味本位な人は二人を傷つけ、そして浮かれた味方も二人をかき乱す。しかしそんな人々は決して「悪い」とは描かれません。 一方傷つきたくなくて相手に踏み込まない二人はもどかしいけれども、その大きすぎる傷を想像すれば致し方ない。臆病な二人もまた「悪くない」のです。 誰も悪くないのに、無理解と無遠慮に満ちている。そんな現実世界を描く、残酷な作品です。でもその残酷さの果てにはどんな恋愛漫画よりも大きな感慨と、本当は「悪くない」周囲の人々の祝福が待っているのです。