あらすじ

悪魔に変身してしまったククリを救うため「パンフォスの遺跡」へ乗り込むニケ。ククリの変化を察知したジュジュも加わり、『ハートの戦士』と呼ばれたミグミグ族と『グルグル』の謎を巡る冒険もいよいよ佳境に!…と思われたものの、潜入した塔は摩訶不思議なダンジョンだった!!侵入者の想像したことがすべて現実となり、パーティの混乱を誘う。さらに塔の魔神獲得を狙うレイドとカヤまでがやってきて大騒ぎ!ククリの恋心が巻き起こした奇跡と感動のエピソード。
魔法陣グルグル 1巻

勇者マニアの父に育てられた少年ニケ(勇者:レベル1HP10MP0)と、魔法オババに育てられたミグミグ族の少女ククリ(魔法使い:レベル1HP6MP8)。そんな2人が出会ったとき、摩訶不思議な恋の魔法が発動し、壮大な冒険物語の幕が上がるのだった!お約束キャラの『キタキタおやじ』に『さっぱり妖精』、某国民的ゲームを思わせるツッコミウィンドウなど、思わず吹き出すネタが散りばめられたRPG風ギャグファンタジー。

魔法陣グルグル 2巻

コーダイ王の命を受け、勇者として「魔王ギリ」討伐の旅に出たニケとククリ。「ノコギリ山のモンスター」を倒した2人は、プラトー教の聖地・シュギ村にたどり着く。そこにグルグルの修行場があることを知ったククリは、半年間の修行を開始!ヒマを持て余したニケも剣の修行を始めることに……。風の妖精・ギップル、闇魔法結社の総裁、プラトー教の「ルナー(巫女)」ジュジュと、主要キャラたちの初登場シーン満載!

魔法陣グルグル 3巻

ニケとククリがたどり着いたシュギ村には、ククリのために用意された「グルグルの修行場」があった!さっそく半年間の修行を開始したククリ。そんな中、プラトー教の『降神祭』が催され、ニケも参加する。しかし祭りの途中、「ルナー(巫女)」ジュジュは、魔王・ギリに憑依されてしまう!!村に襲い掛かるモンスターの大群。ニケとジュジュを残し、村人は姿を犬に変えられてしまった!危機を救う伝説のアイテム「2つの腕輪」を探し、ククリ不在の中、ニケ&ジュジュVSモンスターによる、壮絶(?)な腕輪争奪戦の火蓋が切って落とされた!!

魔法陣グルグル 4巻

“グルグルの修行”“モンスターの襲来”、“プラトー教の「ルナー(巫女)」・ジュジュとの出会い”と、いろいろあったシュギ村をあとにし、2人は次の冒険へ。行く先々でしだいに明かされるグルグルと、グルグルを司るミグミグ族のナゾ。そしてついに、「ミグミグ族の偉大なる長」ワンチンの遺したメッセージにより、やっと2人の旅は明確な目的を得る!魔界のプリンス・レイドとの記念すべき初対決も見もの!

魔法陣グルグル 5巻

ついに!あるイミ「最強」なキタキタおやじ&トマを旅の仲間に加えた一行。魔神サイレンが眠る『きりなしの塔』攻略を目指すニケたちだが、魔王ギリの手下も魔神復活をもくろんでいた!かくして双方抜きつ抜かれつ、激闘につぐ激闘の……となるはずもなく、相変わらず寄り道ありまったりありの冒険が続く。しかし、幻の高僧ガタリと出会い啓示を受けた一行は、光の魔法キラキラを習得するため「風」「水」「地」「火」を司る4人の王に会う必要があることを知る。さらにニケにいたっては、みずからの属性が「勇者」ではなく、「盗賊」であることも知るのだった…(しかもレベル2)。

魔法陣グルグル 6巻

“味方にすれば強大な魔力が手に入る”という魔神「サイレン」が封印されている「きりなしの塔」。いまだ成し遂げた者のいない塔の完全攻略を目指し、ニケたち一行はついに塔内部へ!彼らを追うようにして、魔界のプリンス・レイドをはじめとする魔王ギリの手の者たちも侵入していた。ナゾを解かなければ進めないトラップ、モンスターが次々と襲いくる複雑なダンジョン…。1階ずつ進むごとに難易度が上がっていくこの塔を、ニケ、ククリ、キタキタ、トマの4人は果たしてクリアすることができるのか!?

魔法陣グルグル 7巻

新大陸「コパ大陸」へやってきたニケたち。そこで「盗賊団ガバ」にとらわれてしまうが、子供扱いされすぐに解放される。自分の力不足を感じたニケはククリとともに盗賊団の一員になりレベルアップを目指す。盗賊修行が続くある日、魔力を秘めた宝石「バナナムーン」を盗んで欲しいとコパールの王女がやってくる。一方では大臣がその恐るべき魔力を秘めた宝石を狙い動き出しているのだった……。ニケたちは大臣たちよりも先にバナナムーンの眠る遺跡へ到達し宝石を手に入れることができるのか!?

魔法陣グルグル 8巻

「バナナムーン編」完結!ニケとククリの一行は、あと一歩のところで伝説の宝石バナナムーンを大臣に奪われた。宝石を奪還すべくコパール城に乗り込むことに。しかし、そこに待ちうけていたのは宝石の魔力によって生まれ変わった『最強大臣』だった。大臣の強力な魔力で絶体絶命のピンチに追い詰められたその時!ニケは料理大臣との修行の成果を発揮させ、光魔法キラキラ『火の剣』を手にするのだった!!コパール城を舞台にニケ、ククリ、ルンルン、スライ、ジュジュ、グルグル最強パーティが大暴れ!!

魔法陣グルグル 9巻

魔境入門テストを無事に終え、魔境の町「アラハビカ」に辿り着いたニケとククリ。お宝が眠るという情報を入手したニケは、謎を解く鍵となる3つのネジを探すことに。しかし、そこには同じく遺跡を狙う魔王軍・レイドとカヤの巧みな罠が仕掛けられていた!!何も知らないニケたちは、順調に一つ目のネジを手に入れるものの、謎の美少女スエラの登場でククリに思わぬ変化があらわれて…。「アラハビカ」と「パンフォスの遺跡」をめぐる謎解きに、ニケとククリが挑む!そして、キタキタおやじ、魔法使いデリダ、天才芸術家アダムスキーの3奇人もここに集結!!

魔法陣グルグル 10巻

悪魔に変身してしまったククリを救うため「パンフォスの遺跡」へ乗り込むニケ。ククリの変化を察知したジュジュも加わり、『ハートの戦士』と呼ばれたミグミグ族と『グルグル』の謎を巡る冒険もいよいよ佳境に!…と思われたものの、潜入した塔は摩訶不思議なダンジョンだった!!侵入者の想像したことがすべて現実となり、パーティの混乱を誘う。さらに塔の魔神獲得を狙うレイドとカヤまでがやってきて大騒ぎ!ククリの恋心が巻き起こした奇跡と感動のエピソード。

魔法陣グルグル 11巻

大騒動を起こしつつもちゃっかり光魔法「カッコいいポーズ」を習得したニケ。そして“地の王″が住むエルエル砂漠で謎の小箱を手に入れると、王が仕掛けるイベント「ゲソックの森」にチャレンジ!そこはベタな『お約束』が支配するRPG風世界。ステージクリアできないと永遠に閉じ込められてしまうと知ったニケは、道中仲間にしたバチモンオヤジとともに森から脱出することを決意する。一方、ククリは新しい魔法陣に挑戦するが失敗続き。究極のグルグル「恋するハート」への道のりはいまだ遠い…。

魔法陣グルグル 12巻

花の国が大変だと聞かされ、早速向かう一行。だが、花の王女様が、キタキタおやじに驚いて、おやじをバッタにしてしまう。さらに、その魔法で魔力を失った王女様は子供の姿に。子供になった王女様をニケとククリの二人で育てることに。開花前のつぼみにまで育てあげるが、そこにレイドたちが。レイドは新たな魔法でドラゴンに変身しククリをさらってしまう。ニケたちは大ピンチ!だが、そこで花の王女様が開花し魔物たちを一掃。そして、さらわれたククリを追うニケはバトーハの塔にたどり着く。その塔はミグミグ族が残したものらしく…。

魔法陣グルグル 13巻

新たなグルグル(?)でレイドたちを撃破した一行。町で装備を整えていると、女の子ミウチャをくくりつけた予言の石板が飛んでくる。預言者ガルニエのいるレフ島へ来て欲しいというのだ。早速レフ島に行く一行だが、ガルニエは留守。しかも何日経っても帰って来ない。さらにグルグルも使うことが出来ず、ギップルや地の王を呼んでも反応がない。島の時間が止まってしまっている…?攻略本を売る悪魔ガルリロが登場したり、ミウチャが眼鏡を外すとククリそっくりだったりなど、様々な謎が渦巻くレフ島の秘密とか…。外伝「秋の使い」も収録。

魔法陣グルグル 14巻

ついに魔王ギリが復活!先を急ぎ、新たな大陸に渡った一行の前に、爺ファンタジーと名乗る年寄り4人組みが現れる。光の者である彼らからジタリの遺跡の鍵をもらったニケは、勇者の証を求めて遺跡へ。途中でレイドに邪魔されつつも、トマを仲間に加え、遺跡の到達する。苦労の末、そこで手に入れたのは、勇者の拳。世界にツッコミを入れる勇者の武器!その拳で水の王にツッコミを入れ、水の剣もゲットする。一方でジタリの遺跡を守る魔物は、プラトー教の巫女であるジュジュをさらう。プラトー教に封印された魔物を解放させるために……。

魔法陣グルグル 15巻

ジュジュをさらった魔物と対峙する一行。水の力を得た勇者の前に敵なし…と思われたが、勢い余って水の剣で封印を壊してしまう。封印されていたのはギリの魔物”黒い太陽“ドンカマー。触れたものを石にする煙を吐く魔物だったが、新たなグルグルの力で撃退することに成功する。そして、一行は最後の王の力を得るために、風の精霊王に会いに行くことに。勇者の機転で風の剣を手に入れ、ついにギリの待つ最後の大陸・ザンへと降り立つ。そこで出会った大僧正・ファンザナ=ファイナムから、最強のグルグル“恋するハート”の秘密を告げられる…。

魔法陣グルグル 16巻

ギリの城を進む一行の前に因縁の相手カヤが現れる…。一騎打ちを望むカヤにククリは堂々と応じ、勝利する。ついに魔王ギリとの決戦の時…!「われは魔王ギリだ」「おまえたちに会えるこの日を、たのしみに待っていたぞ!!」そう言って現れたのは…なんとキタキタおやじ!驚愕する一行だったがニケの勇者の拳のツッコミでおやじは消える。次に現れたのはカヤで…。悪魔ガルリロが現れ、ギリとはククリの心が作り出した幻だと告げるが…。そこに闇魔法結社の総裁とルンルンが駆けつける。魔王ギリの正体とは?笑いと感動のギャグファンタジー最終巻!

魔法陣グルグル

ユニセックスのスクエニを決定づけた作品

魔法陣グルグル 衛藤ヒロユキ
ピサ朗
ピサ朗

少年ガンガンを筆頭に出版部門を持つスクウェア・エニックスは、どーもファンタジーものではあるが少年漫画とも少女漫画とも言い難い、ユニセックス的な漫画が数多い出版社というイメージがあるのだが、そのイメージを決定づけたのはこの作品だと思う。 世界観は実にRPG的なファンタジーものであり、現在でこそなろう作品を筆頭に数多くあふれているが、当時は割と珍しかった。 また主人公も男女二人制で物語を引っ張っていくのは男性のニケだが、ラスボスである魔王との因縁はむしろ女性であるククリの方が多く、ともすればシリアス方向に行きそうな要素も多いのだが、全編に渡りギャグが散りばめられていて、少年漫画的な痛快さと少女漫画的な繊細さを吹っ飛ばすほど強烈なギャグが多い。 全体的にはRPGの「お約束」を逆手に取ったり茶化したりと、ゲームに対するツッコミがボケ化しているような部分が多いが、言葉遊びのセンスが凄い部分も多い。 とにかく笑えるのだが、根底には少年少女の成長や旅の出会い等の王道的な冒険要素も多く、読んだ後は意外と心地よい読後感…にもギャグを叩きこんできていて、暗く重い雰囲気はとにかく薄い。 この明るく軽い雰囲気は現在でも独特な物があり、絵柄は安定しないが全体的には可愛い系で、女性も読む少年漫画という当時は独特な地位を持っていた。 一迅社系等ユニセックス的な漫画は現代では珍しくも無いが、スクエニ漫画のそういうノリを築いたのは、タイミングや内容的にもかなりこの作品の影響がデカいのではないかと思う。 後半は若干息切れというかギャグのバランスが崩れている部分も有るが、ストーリーはしっかり完結していて爽やかに終了している。 …のに、続編が出ていて、その爽やかさすら笑いにしていたりするのだが。