あらすじ時は昭和初期、東京・銀座。日本初の女性探偵・美津子とその助手で吉田百貨店の御曹司である朔は、忙しい日々を過ごしていた。盲目の青年とその姉に、街中で出会った美津子と朔。二人は幼い頃に見た活動寫眞の結末が知りたいというが、手掛かりは二人の間で食い違う物語の記憶と、活動弁士の声だけで…。マチズモ、アウトリーチ、障がいを抱えた家族ときょうだい児――生きづらさを感じているすべての人へ贈る、昭和モダンミステリー。
この作品は女性が外で働くことがまだ一般的でなかった昭和初期の日本を舞台に、女性探偵として働く星野美津子と、彼女が依頼人として出会った大学生の吉田朔というコンビの活躍を描く作品です。 昭和初期という舞台でありますが、登場する事件はトランスジェンダーや女性の社会進出など、どこか現代にも通じる問題を孕んでいるものばかりです。 そんな事件の数々を、自身も夢であった警察官への道を"女性である"という理由だけで諦めた過去を持つ美津子が、謎めいた雰囲気の朔が解決へと導いていく、謎を解決する痛快さと生きづらさを抱えている人々を優しく包む温かさを併せ持った作品です。 1巻まで読了