あらすじ涼太を笠井家の子供にして欲しいとリカに告げた早苗。突然の出来事に涼太は早苗の真意を図りかねていた。養子を取ってまで“母親”になりたかった早苗。そんな彼女はなぜ涼太を手放そうと思ったのか。これまでどのように生きてきたのか。徐々に明かされていく早苗、そして涼太の哀しき半生。理解しがたい早苗の行動と言動の端々に何故か“ひっかかり”を感じる涼太は自分自身へ問いかける。この気持ちはなんなのかーー。
元々施設育ちで、母親の愛情というものに飢えている三木涼太。 一見したら賢くて良い子の彼ですが、 彼が先々で出会う「母親」を採点して、見切りをつけたら殺そうとするなど、大分歪んでいます。 作中に出てくる「母親」達も各々に歪んでいて、(まともな人もいますが) 「本当に良い母親とは?」ということも考えさせられます。 主人公の三木涼太は、 自分が優位に立って相手 (母親) を選んでいると思っていると思うのですが、 本当は寂しくて愛情に飢えている1番可哀想な子だなと思います。 形は違いますが、 プライドが高く愛情に飢えている三木涼太に共感する部分もあったり。 少しやりすぎな設定というか描写もありますが、 親子のあり方などについて共感したり、色々なことを考えながら読める、 読み応えのある作品だと思います。