中学生の三木涼太は、母ひとり子ひとりで仲むつましく見えていたが、いつも母は息子の一挙手一投足に怯えていた。一方、クラスメイトの笠井薫は過保護な親に辟易し、自分がイジめられるのはの母親が悪いと考えていた。そんなある日、イジメを助けたことがきっかけで、ふたりははじめて会話をするが…!? 究極の母性に取り憑かれた少年のサイコ・サスペンス!
女王様の言うことは、絶対―――。化け物の【下僕】となった僕らの、数奇な運命。東京、国太刀市では、今日も橘壮一はクラスメイトにいじめられていた。ゴミ屋敷と化した自宅の中には無気力な母親がひとり。どこにも居場所のない橘だが、ある女性のために、夜な夜な若い男子学生を女性宅に連れ込む謎の行動を繰り返していた…。仄暗い青春と血と体液が入り交じる、絶望のヴァンパイア・ストーリー!
一人息子の仁輔を女手ひとつで育てる仁美。心を閉ざし気味の仁輔を喜ばせようと仁美が催した、ささやかな誕生日。だがその日、仁輔の世界は一転した―――。
元々施設育ちで、母親の愛情というものに飢えている三木涼太。 一見したら賢くて良い子の彼ですが、 彼が先々で出会う「母親」を採点して、見切りをつけたら殺そうとするなど、大分歪んでいます。 作中に出てくる「母親」達も各々に歪んでいて、(まともな人もいますが) 「本当に良い母親とは?」ということも考えさせられます。 主人公の三木涼太は、 自分が優位に立って相手 (母親) を選んでいると思っていると思うのですが、 本当は寂しくて愛情に飢えている1番可哀想な子だなと思います。 形は違いますが、 プライドが高く愛情に飢えている三木涼太に共感する部分もあったり。 少しやりすぎな設定というか描写もありますが、 親子のあり方などについて共感したり、色々なことを考えながら読める、 読み応えのある作品だと思います。
最近は読後にもうちょっと読みたいなと思えるマンガがいい作品なのかもしれないと思い始めた。 この『スズキさん』も殺し屋・逃避行・年の差バディのテーマがコンパクトに纏まっている。 決して派手なタイプのマンガではないけど、絵も上手くてスズキさんと仁輔の関係性がどう着地するのか最後まで魅入ってしまった。
「バブみ」「オギャる」といった言葉が普及し始めて早数年。「戦慄のバブみサイコスリラー」とでも形容すべき作品が登場しました。 「登場親子、みんな毒」……とまでいうと語弊があり、まともな息子も中にはいるんですが、中心となるのは毒息子と毒親による予測不能のサスペンス。『スズキさんはただ静かに暮らしたい』に続いて佐藤洋寿さんらしい不穏な味わいが堪能できます。 多少のツッコミどころもありますが、異常な性向がぶつかり合ってもたらされる異様な展開の不安と不穏の波に細かいことはさておき呑まれます。 良い意味で、ネット広告で使い易そうなパワーのあるセリフやコマが多い作品です。 作中で、特殊な赤ん坊と一緒に荷物を運送するゲーム『デス・ストランディング』が描かれていたのも良い演出だなと思いました。 物語がどこに着地するのかが最大の焦点ですが、ぜひ行くところまで行ってやり切って欲しいなと願っています。 心の中の赤木しげるに「正しい親、正しい子供、正しい親子…………元々ありはしないんだって……!そんなもの…………!」と囁かれながら。
元々施設育ちで、母親の愛情というものに飢えている三木涼太。 一見したら賢くて良い子の彼ですが、 彼が先々で出会う「母親」を採点して、見切りをつけたら殺そうとするなど、大分歪んでいます。 作中に出てくる「母親」達も各々に歪んでいて、(まともな人もいますが) 「本当に良い母親とは?」ということも考えさせられます。 主人公の三木涼太は、 自分が優位に立って相手 (母親) を選んでいると思っていると思うのですが、 本当は寂しくて愛情に飢えている1番可哀想な子だなと思います。 形は違いますが、 プライドが高く愛情に飢えている三木涼太に共感する部分もあったり。 少しやりすぎな設定というか描写もありますが、 親子のあり方などについて共感したり、色々なことを考えながら読める、 読み応えのある作品だと思います。