あらすじ

第17回手塚治虫文化賞 短編賞に続き、第19回文化庁メディア芸術祭にて優秀賞を受賞! 幸せあふれる結婚披露宴。花嫁の父親は、ロボットだった。「この日を妻にも見せたかった」 ……彼の記憶にある妻の姿は? フワフワの着ぐるみ、クラスの転校生、未来を予言する者、そして誰もが待ち望んだ、聡明で清廉で公正な大統領。ロボットの彼らが、ヒトの世界を変えていく。だが、技術が進歩しても、キカイを操っても、ヒトを殺すのはヒトである。現代社会が注目する「人間とAI」にまつわる物語を、丹念に貪欲に描いていく寓話的オムニバス、8編を収録。
機械仕掛けの愛 1巻

本を愛する刑事、最強の兵士、子育てのベテラン、失敗ばかりのダメ店員……ココロを持ったロボットたちの愛情と葛藤、そして“人間”を描きだす、切なくて温かいオムニバス!!

機械仕掛けの愛 2巻

恋人ロボは僕に言った。「私に愛情はありません。機能があるだけなんです」そして彼女は姿を消した。高いビルから飛び降りたのだ。宅配ロボ、監視ロボ、尋問官、教師……ロボットたちの“単なる機能”が、私たちに“ココロ”を見せる。第17回手塚治虫文化賞「短編賞」を受賞した寓話的オムニバス!!――愛も痛みも感じぬキカイが、ヒトの想いを守り続ける。

機械仕掛けの愛 3巻

街にたたずむ自販機、お寺のロボット小坊主、そして、かつて人間だったころの記憶を持つ「ブレイノイド」…… ヒトのために生まれ、ヒトのために働き、ヒトを想う彼らだが、実はプログラムされた機能を果たしているのみである。キカイにココロはあるのだろうか。ヒトにはココロがあるというのか。第17回手塚治虫文化賞「短編賞」を受賞した寓話的オムニバス、1年半ぶりの新刊リリース!!

機械仕掛けの愛(4)

第17回手塚治虫文化賞 短編賞に続き、第19回文化庁メディア芸術祭にて優秀賞を受賞! 幸せあふれる結婚披露宴。花嫁の父親は、ロボットだった。「この日を妻にも見せたかった」 ……彼の記憶にある妻の姿は? フワフワの着ぐるみ、クラスの転校生、未来を予言する者、そして誰もが待ち望んだ、聡明で清廉で公正な大統領。ロボットの彼らが、ヒトの世界を変えていく。だが、技術が進歩しても、キカイを操っても、ヒトを殺すのはヒトである。現代社会が注目する「人間とAI」にまつわる物語を、丹念に貪欲に描いていく寓話的オムニバス、8編を収録。

機械仕掛けの愛(5)

私には命がないから、誰も悲しみません ヒトの世界にキカイがもたらす、ココロのさざめき。1話完結、どこからでも読める短編集! ペットとして飼ってきた愛くるしい犬を、“処分”してくるよう命令された家事ロボット。ペットを想うロボットに、いったい何ができるのか…? ビートルズそっくりなロボットが、「ビートルズが作りそうな新曲」を生み出して、バンドを組んでデビューしたら…!? 手塚治虫文化賞 短編賞、文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞してなおも問い続ける、ヒトとキカイの物語!

機械仕掛けの愛(6)

ここから読める、ヒトとキカイの短編集! 手塚治虫文化賞短編賞、文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞作! たくさんの患者に光をもたらしてきた眼科手術のスペシャリスト、すべての本を燃やし尽くす工場の管理者、いじめ撲滅のために送り込まれた教師…… 役割を果たすために生まれたロボットたちは、どこまでも静かに、ヒトの世を映し出す―― 1話完結、どこからでも読める短編集!

機械仕掛けの愛(7)

キカイとココロの短編集、第一部完結! 「ぼくたちのお母さんは、ロボットです」―― 集められた孤児たちを家族として育て、送り出してきたロボット・ママジン。絶品カツカレー、ロールキャベツ、筑前煮。しあわせドーナツにスパイスチーズケーキ…… レシピとコツを熟知したママジンの料理は、こどもたちの大好物だ。だけどママジンには、この“おいしさ”がわからない。……ロボットだから。ぼくたちは、ママジンに知ってほしい。ママジンの料理のおいしさを。ぼくたちがどれだけ愛を感じてきたのかを―― ヒトとキカイのココロをつないで連載10周年。この巻から読める、1話完結の短編集! 『機械仕掛けの愛』はこの巻にて第一部完結、新シリーズ『機械仕掛けの愛 ママジン』へと続きます。

機械仕掛けの愛

人間賛歌の究極形

機械仕掛けの愛 業田良家
兎来栄寿
兎来栄寿

第17回手塚治虫文化賞短編賞受賞作。NHKでラジオドラマ化もされ、名実共に業田良家先生の代表作と言って良いでしょう。 こちらも、一話完結型の短編集です。上記の、『ゴーダ哲学堂』や『ロボット小雪』などでも描かれて来た、「心を持ったロボット」というテーマに今一度踏み込んだ物語群となっています。子供や老人と触れ合う、感情を持った純粋無垢なロボット達のお話は、ハートフルでとても感動的です。 しかし、この作品が凄いのは、そういった従来の「心を持ったロボットとのコミュニケーションによって生ずる感動」のみならず、戦闘用に作られたロボットや尋問用に作られたロボットたちが送るハードな物語も同時に描かれることです。その双極性によってそれぞれのテーマが立体化し、どちらもより痛烈に刺さって来るのです。業田先生は、ロボットを描くことによって、間接的にどこまでも人間を掘り下げて行きます。 今この瞬間に飢えている人に法を犯してでも食べ物を分け与えることは不正義なのか? 何かを築き上げてもいつかは天災などによって無に帰ってしまう不条理を前に、人間は諦観するしかないのか? 様々な哲学的な問い掛けに、業田先生は果てしない希望と愛情を以って筆を尽くします。誰かの為に何かを為すことの尊さは、決して失われることのない永遠性を持つのだと。そう、この作品は、負の面も含めた人間賛歌の究極形なのです!