あらすじ誰もいない河原で聞いた、奇妙で恐ろしい声。そしてその近辺で撮影された、背中に“眼”が写りこんだ心霊写真。小説家の道尾は、この不気味な一致を調査するため霊現象の探求家として名高い真備と助手の凛とともに、再び白峠村を訪れた。そこで、彼らは「幽霊」が見えるという孤独な小学生・亮平と出会うが…?連続児童失踪事件、天狗の伝説、背の眼…白峠村を覆う恐怖は果てしなく――。
作品冒頭に出てくる「レエ……オグロアラダ……ロゴ……」という言葉。何のことやら意味不明で、響きといいとらえどころのなさといい、何とも言えない不安感をあおられませんか。ミステリーの導入としては秀逸だと思います。実際、私はその意味を知って安心したいがために、ページをクリックするマウスを止められませんでしたよ。で、読んでも読んでもどんどん不安感は増していくばかり。いやあまんまと術中にはまってしまった訳です。白峠村を訪れた作家の道尾秀介は児童の神隠し事件を知り、遺体が見つかった場所で奇妙な声を聞く。帰京した道尾は友人の霊現象を探求する真備庄介に相談。偶然にも真備の元には、自殺する前にとられた複数の写真に写る眼についての相談が舞い込んでいた。ここまでは1巻の時点でわかっていることなんですけど、これが霊現象なのかは明らかにされないのがミソなんだよなあ。原作は直木賞作家のデビュー作。で私の大学・学部の後輩ということをこれを書いた後に知って、期せずして前回と大学つながりになっちゃいました。う~ん、ミステリー。