あらすじ洞窟の奥で、「空」とも思える影と邂逅を果たした琉花。その後現れた「海」は、琉花が飲み込んだ「隕石」を自ら引き受け、琉花を海上へと導く。そこで始まったのは――「本番」。ジムやアングラードが、海や空が、全ての生き物が、地球と宇宙が待ち望んだ、「本番」。その圧倒的な光景を、琉花はひとり目撃する……。漫画家のみならず各回著名人がこぞって激賞、漫画家協会賞やメディア芸術祭など数々の栄誉にも輝いた、五十嵐大介初長編連載にして最長連載作品、ついに完結!
私は漫画を愛してはいない、線を信じていない作家は嫌いなのだが、五十嵐大介は唯一例外である。五十嵐大介は恐らく漫画とは別の抽象的な目に見えないもの(生命への愛やアニミズムなど)を信じている気がする。五十嵐大介の線は他の誰かから影響を受けた形跡がほとんど皆無で、油絵を描くようなタッチで線を加えていく。彼は別に自分の表現したい事がたまたま漫画が描きやすかったから漫画を描いてる感じがする。 五十嵐大介は漫画を愛してはいないが、漫画が五十嵐大介を愛しているのだろうか。