あらすじ約40年前、海と空の保護者であるジムは、鯨漁をする島で生活していた。ある時ついに巨大な鯨を仕留めることに成功したジムだったが、その翌日、彼は沖に立つ1人の不思議な少年を目にする。島の人間は、この少年を「この島をつくった者」として敬い、彼を見ると必ずある言葉を唱えるのだった…。入院していた病院から突如姿を消してしまった空。空と深く繋がっている海でさえ、見失ってしまった。果たして彼はどこへ向かったのか…!?
私は漫画を愛してはいない、線を信じていない作家は嫌いなのだが、五十嵐大介は唯一例外である。五十嵐大介は恐らく漫画とは別の抽象的な目に見えないもの(生命への愛やアニミズムなど)を信じている気がする。五十嵐大介の線は他の誰かから影響を受けた形跡がほとんど皆無で、油絵を描くようなタッチで線を加えていく。彼は別に自分の表現したい事がたまたま漫画が描きやすかったから漫画を描いてる感じがする。 五十嵐大介は漫画を愛してはいないが、漫画が五十嵐大介を愛しているのだろうか。