あらすじいつものように出版社へ漫画の持ち込みに来たシズオ。だが今回、シズオの態度はいつもと違っていた。さらに漫画のタイトルも、いつものボツ作とは一味違う雰囲気。何故ならこの漫画には、今までの作品には込められていなかった、シズオの“肉声”が込められていたからだ(本人比)!シズオの頭の中で、幼き日から現在までの人生がプレイバックする…。齢41歳。大黒シズオ、ついに傑作漫画を完成させる!…のかと思いきや、父親とケンカして家を飛び出し、何故か市野沢と同棲生活を開始する第2集!!大丈夫!?
この本読むと謎に元気が出る。 中年のおっさんが、急にサラリーマン辞めて一念発起して漫画家になろうとする話。 突拍子もない展開だが、プロの漫画家にすんなりなれるわけもなく、当然父親にブチぎれられたり、世間とか社会の厳しさとか、そういうのが普通にやってくる。 バイトで糊口をしのぐのだけど、バイト先でも年下にからかわれたり(例えば店長と呼ばれる。ポジションではなく年齢的な意味で)、バイト先のメンバーと合コン行っても合コン相手にディスられる。 逆に、娘だったり、友人だったり、元会社の後輩だったり、応援してくれる人もいる。 人間同士のつながりみたいなのが色濃く出て、主人公を小馬鹿にする人と、そうじゃない人の対比が良い。 最初のうちは、何の根拠のない自信をもっている主人公を薄目でみているんだけど、抜けているけど味のある人間味にだんだん応援したくなってくるから不思議。 周囲の人間に恵まれてて、これはこれで楽しそうとか思ってしまう。 ダメでもいいじゃない、人間だもの、みたいなフレーズが浮かぶ。 俺はまだ本気出してない と思いながら、その可能性の中で生きていくのも、ある意味幸せなのかもなぁ。