家出先の市野沢のアパートから、実家へと戻ってきたシズオ。しかし相変わらずの駄目ぶりに、ついに父親から「お前はピンチだ」と真顔で言われてしまう。さらに「マンガを描くのはいいが、ただの趣味として描け」とも言われてしまい、シズオは妄想の中で15歳、17歳、22歳、32歳当時の自分たちと“俺会議”を開催。本気で描くか趣味で描くか、激論の果てに出た答えは…?これまで何度となく本気を出してきた男・シズオがついに本当に本気を出す…?漫画家デビューへ向けて次々とネームを製作するシズオに対して、担当・村上が出した結論とは!?衝撃展開の第3集!!
この本読むと謎に元気が出る。 中年のおっさんが、急にサラリーマン辞めて一念発起して漫画家になろうとする話。 突拍子もない展開だが、プロの漫画家にすんなりなれるわけもなく、当然父親にブチぎれられたり、世間とか社会の厳しさとか、そういうのが普通にやってくる。 バイトで糊口をしのぐのだけど、バイト先でも年下にからかわれたり(例えば店長と呼ばれる。ポジションではなく年齢的な意味で)、バイト先のメンバーと合コン行っても合コン相手にディスられる。 逆に、娘だったり、友人だったり、元会社の後輩だったり、応援してくれる人もいる。 人間同士のつながりみたいなのが色濃く出て、主人公を小馬鹿にする人と、そうじゃない人の対比が良い。 最初のうちは、何の根拠のない自信をもっている主人公を薄目でみているんだけど、抜けているけど味のある人間味にだんだん応援したくなってくるから不思議。 周囲の人間に恵まれてて、これはこれで楽しそうとか思ってしまう。 ダメでもいいじゃない、人間だもの、みたいなフレーズが浮かぶ。 俺はまだ本気出してない と思いながら、その可能性の中で生きていくのも、ある意味幸せなのかもなぁ。