刑事からチョ検事親子の死が事故ではなく、スヒの父親が殺したという事実と、彼が国家情報院の秘密作業員と聞き、最初は強気だった学生たちも動揺が隠せなくなっていた。だが、ヨン・ジウン会長の孫ヨン・テホは「俺の祖父は金持ちでボディーガードついている」と恐れを知らずにいた。刑事は「君の祖父が財力で敵なしなら、彼は暴力の世界で敵はない、そんな彼は闇の中で隠れ、血に飢えた野獣だ。もし出会ったらどちらが不利になるかよく考えてみるんだね」と警告をした。そう、血に飢えた獣、復讐者ジンは次のターゲットの元に向かっているのだから
善悪とか倫理とか道徳などは、感情を前にすると途端に脆弱になる。 良い悪いなんてどうでもいい、許せない、その気持ちわかる。復讐すべきだ!! 昂った感情が抑えられなくなる。 最愛の娘が強姦される。加害者は権力者の息子達。被害者である娘は誹謗中傷され、自ら命を断つ。 そんな酷いことあってたまるか、許せない。同じ目に合わせてやれ。 復讐を誓ったキム・ジンを非難することなどとてもできない。だって、そうすべきだと思ってしまったから。 加害者は徹底的に憎らしく描かれており、悪い奴が制裁を受ける快感もある。 同時に、キム・ジンが幸せな家族の夢を見る場面も描かれており、復讐したところで幸せは戻らないことも痛感させられる。 だからと言って「そんな虚しいことはやめろ」なんてとても思えないのだ。 途轍もない悲しみに包まれたとき、道徳や倫理に従って行動できるひとなんているのだろうか? キム・ジンを英雄として祭り上げる気持ちがわかってしまった以上、わたしには善悪なんて論じる権利もない。 祭りのあとのような虚しさが残った。 韓国漫画ってソリッドでかっこいい。過剰なまでに無駄を省いた鋭さや硬質さが魅力的だなあと思います。