主人公の羽田習はいつも周りから虐められている弱々しい男の子 そんな時必ず助けてくれたのが幼馴染の林悠だった。 「これじゃあ私が死んだ後も、習ちゃんの守り神になってあげなきゃね」 そう冗談で笑っていた彼女だったが、十四歳の夏休み交通事故で本当に死んでしまった。 時は流れて十年後…二十四歳になった習の背中には本当に守り神、 もとい疫病神となって憑りついた悠の姿があった!
思いがけず蘇我と同じ仕事を受け持つことになった習は燃えていた。だがその思いとは裏腹に取引先の米田社長からは鼻にもかけて貰えない。悠は悠で拗ねてどこかへ行ってしまった。途方に暮れる習を横目に、米田の好色な目が蘇我を舐め回すのであった。
蘇我が自身を犠牲にして、仕事を進めてくれた。習はそれに頼るしかない自分がふがいなかった。だがそんな思惑とは関係なく、米田の行為はさらにエスカレートしていく。一線を越えようとしたその時、空気が張り詰め、異変が起きた!
米田を大怪我させてしまった責任を取り、辞職してしまった習。だがそのおかげで蘇我との関係が一気に進展した。そんな浮かれる習を見て激しく嫉妬する悠。念願の蘇我とのデートを邪魔された習は、ついに長年の不満を悠にぶつけてしまう。
悠を置いて蘇我とのデートを楽しむ習。幼馴染に憑かれた所為で今日まで全く恋愛できなかった習はその幸せを噛み締めていた。だがデートを重ねる内にそんな冴えない自分と一緒にいる蘇我に対して、少しづつ違和感を感じ始めていた。
最悪な形で終了した初デートぶりに気まずくランチをする習と蘇我。一方で傷心中の悠は、子供のままの自分を少しでも変える為に、街へ向かった。悠のイメチェン大作戦開始!
あんな初デートだったので、完全に蘇我の事を諦めていた習だったが、まさかの大逆転!24年間の独り身生活にピリオドが打たれた!だが遠目から二人を見てた悠が、蘇我に対して異常な反応を見せる。「さっきの…あれは…」
蘇我が怪我をしたのは悠の所為だと思い込む習。蘇我は自分の事が見えていると警告したい悠。互いの思惑がすれ違い、誤解を生み、二人の溝は益々深まってゆくのであった。
どうしても蘇我の事が怪しく思える。習を守る為にも彼女の正体を暴かねば!そう決意した悠は蘇我の後を尾行する。その道中不審を確たるものにする、様々な出来事に悠は遭遇するのであった。
蘇我との関係を順調に育みつつも、休職中の習は苦肉の策でルームメイトを募集する。一方蘇我は謎の霊「尉成」と、ある計画について話を進行していた。そんなジンに更なる不幸な知らせが届く…
一人の男がルームメイトの張り紙を見て尋ねて来た。なんと彼には悠が見えている自称除霊師の男は悠に関して驚くべき事実を週に告げるのであった。
なんとしても蘇我の正体を警告したい悠だったが、習は全く信じてくれない。一方尉成も蘇我の気持ちの変化にイラ立ちを覚えていた。習、悠、蘇我、尉成、それぞれの思いが複雑に交差する。
見知らぬクラスメイト、沢山の好奇な眼差し、皆に紹介される転校生の蘇我。初めて彼女と出会った日の事を尉成は思い出していた。かつての幼い彼女はいまや立派な大人の女性になり、自分はあの頃のまま…
蘇我を襲う謎の男。除霊師から真実を知った悠。切迫する状況の中、習はと言えば呑気に就職活動に勤しんでいた。全く仕事が見つからず疲労困憊の習に、旧友の桐生から連絡が入る。 その人物とは…
何者から必死に逃げる蘇我。怪しげな部屋に立てこもり息を荒げる。彼女は何から逃げ、怯え、謀をしているのか。尉成と八神もその輪に引っ張られ、徐々にその全貌が明らかになってくる。
蘇我と尉成の計画。彼女達を襲う不可解な現象。その謎は全て蘇我の過去にあり、記憶の始まりは母親の葬式。喪服に身を包んだ幼い蘇我は静かにその遺影を眺めている。
八神は隣のプランタからネギを拝借し、習はそれでタコスを作る。一見平和に見える光景だが、帰宅した悠の両頬は赤く腫れていた。尉成から攻撃を受けた悠は、ある決意を八神に話すのであった。
計画の為に習に近付いたハズだった。だがいつしかそれだけじゃない感情に気付き、揺れ動く蘇我。その気持ちに苛立つ尉成の元に、悠が再び現れる!
激しく陥没した地面に横たわる悠。その姿と八神の言葉で初めて蘇我に対して違和感を覚える習。だがあの優しい蘇我が悠をこんな目に合わせるなんて到底信じられない。疑いながらも彼女の部屋に足を踏み入れた。
蘇我の隠し部屋に侵入した習はそこで驚くべき真実に辿り着く。予想だにしなかった点と線が結びついた。そう、全てはあの場所から始まっていたのだ。
悠を昏睡から目覚めさせるため、蘇我の真実を確かめる為、習と八神は梨村へ向かった。一方蘇我と尉成が迫りくる脅威に備えていた。様々な思いがここ梨村で邂逅する。
かつての見る影もない町並みに蘇我は佇んでいた。自然と母との記憶が蘇る。同じく列車に揺られながら習も、自身の過去に思いを馳せていた。まだ幼い頃の悠との思い出に。
今まで悠がどれだけ自分にとって大事な存在か改めて気付いた習は、彼女を取り戻すことを強く決意する。その為には蘇我に呪縛を解いて貰わなければならない。広大な梨村での捜索が始まる。
幼い沙織は、長い間父が閉じ籠っていた部屋の、その禁断の扉をついに開けてしまう。そこから全ては狂いだした。一方習達はついに梨村へと足を踏み入れたのであった。
秘密がバレ、関係が終わったと思っていた沙織の目に、自分を探しているであろう習の姿が映る。戸惑う沙織、そして脳裏には忌まわしきあの日の惨劇が蘇るのであった。
村の関係者から沙織の旧家を突き止めた習はその場所を訪れるが、手掛かりは何もなかった。そんな中桐生からの電話で、驚愕の真実が告げられる!
眠る八神。その顔は苦悶に満ち、酷くうなされていた。夢に現われたのは優し気な笑みを浮かべる一人の女性。謎に満ちた八神の過去の一端が明かされようとしている。
沙織は母親の仇を討とうとしている!と息巻く習に対して、冷静に分析しなだめる八神。着々と真相に近付く二人だったが、八神の過去が彼を徐々に蝕んでいくのであった。
尉成の過去、死の原因。彼は沙織を二度と泣かせまいと誓った。それがあのような悲劇を生んでしまった事を、沙織はいまだ知らない…
非情になり切れない沙織に苛立ち、仲違いをしてしまう尉成と沙織。習と悠も、沙織と尉成も、互いを思いやっているのに、思いやっているが故に距離を置いてしまうのであった。