あらすじ

複数の「オキナガ」たちが次々と姿を消す、不可解な事件が発生。事件を追って、あかりは久保園と共に岐阜県山中の限界集落を訪れるが、そこでとある少女と出会い…!?
白暮のクロニクル 1巻

そこは、「悲しき不老不死――オキナガ」が存在する世界。厚生労働省の新米公務員・伏木あかりが配属されたのは不死の種族「オキナガ」を管理する部署。厚労省での仕事1日目にオキナガ惨殺事件と遭遇し怪死事件を追う任務を与えられる、あかり。しかも見た目は少年、中身は88歳老人の殺人事件マニア・雪村魁とタッグを組まされ…。時を越えて生きるオキナガに起こる怪死事件、彼らの想いが紡ぐ年代記(クロニクル)。日常系×非日常ミステリーの世界へようこそ!

白暮のクロニクル 2巻

不老不死の種属「オキナガ」。そのひとりである雪村魁は、12年に一度の惨殺事件… 通称「羊殺し」の犯人を追っている。昭和初期。沖縄での戦禍の中で、魁の壮絶なる人生を決した 出会い、別離。そして与えられた運命。この殺人事件に執着する理由がそこに―― 雪村魁は、いかにして雪村魁になったのか。その謎を解き明かす第2集、霧の中の輪舞(ロンド)!

白暮のクロニクル 3巻

複数の「オキナガ」たちが次々と姿を消す、不可解な事件が発生。事件を追って、あかりは久保園と共に岐阜県山中の限界集落を訪れるが、そこでとある少女と出会い…!?

白暮のクロニクル(4)

不老不死の不思議な種族、「オキナガ」と共存する現代―― 88歳にして少年のような風貌、オキナガである雪村魁と、オキナガを管轄する厚労省“夜間衛生管理課”の新米公務員・伏木あかり。ふたりのもとに、また新たな惨劇の影が… 若い女性たちが血を抜かれた状態で次々と殺害されていく、デリヘル嬢連続殺人事件。その犯行の手口から、時に“吸血鬼”とも揶揄されるオキナガの犯行とも噂されるが―ー!? 謎が謎を呼ぶ、ゆうきまさみの極上ミステリー最新集!

白暮のクロニクル(5)

舞台は閉じ込められた山奥の館。“曰くつき”のオキナガ療養施設――― 光明苑。オキナガの哀しき自殺。襲いかかる嵐。現れた、12年に一度の殺人「羊殺し」の重要人物。そして動く、あかりと魁と三角関係!? ―――不老不死の謎めく種族「オキナガ」。全国に10万人ほど存在し、厚生労働省の管理下にある。88歳にして少年のような風貌のオキナガ・雪村魁と、オキナガを管轄する厚労省“夜間衛生管理課”の新米公務員・伏木あかりの迷コンビ。とあることから魁と大喧嘩になってしまったあかりは、研修のため一週間長野の山奥にあるオキナガ療養施設・光明苑へ。そこは、生活に貧窮したり問題行動を起こしたりしたオキナガが収容される場所。中には、特に集団行動に適さないオキナガを収容する“隔離棟”も…… 魁が追い続ける連続殺人「羊殺し」に深く関係する、謎の眠れる美少年。光明苑を襲う嵐、閉じ込められるあかりと魁。これまであかりも知らなかった、オキナガの“本当の絶望”――― そしてあかりの大学時代の先輩も現れ、あかりと魁の関係も進展が…!? 光明苑。魁の過去とも関係するここは、絶望が影をひそめる、オキナガ達の楽園。そこで一体何が――― 過去・現在・そして“永遠の未来”が絡み合い生み出される謎。ゆうきまさみ極上ミステリー第5集!

白暮のクロニクル(6)

2015年、血の事件は核心に染まる。憎き連続殺人鬼・“羊殺し”―― すべてはお前を、捕えるために。――――――――――――――― 現代の吸血鬼“オキナガ”の雪村 魁は、かつて恋をした女性―棗(なつめ)―を殺した犯人へ、復讐を誓う。そして… 抜かれた内臓、若き女性の死体、12年に一度のひつじ年。“羊殺し”の条件が揃った凄惨な事件が発生――― 魁とあかり… 数奇な運命に導かれたふたりは、真犯人を捕らえることができるのか!? 時をかける謎に迫れ――― ドラマティック極上ミステリー!

白暮のクロニクル(7)

「羊殺し」にまつわる謎の映画プロジェクト、その現場で起こる惨劇――!! ――――――――――――――――――不老不死、現代の吸血鬼“オキナガ”の雪村魁は、かつて恋をした女性―棗(なつめ)―を殺した犯人――― 12年に一度若い女性を殺害する殺人鬼、“羊殺し”を追い続ける。厚労省の新人・伏木あかりとは小さな喧嘩を繰り返しながらも、なんだかんだ相棒関係(!?)に… そのあかりが、棗の孫だと知った魁。そんな中、「羊殺し」を題材にした映画の制作が発表される。謎のプロジェクトの思惑や意図を探るべく、現場に潜り込んだ魁&あかり、その矢先、「羊殺し」からの脅迫状が届き――!? ピンチに陥る魁、あかりは魁を救えるか!? 現代の吸血鬼×極上ミステリー、緊迫の最新7集。

白暮のクロニクル(8)

「羊殺し」… 憎き犯人は、お前だったのか――!!!!? **** 「羊殺し」―― 12年に一度のひつじ年に必ず起きる、若き女性を狙った殺人事件。88歳の少年… 吸血鬼(オキナガ)の雪村 魁が追い続ける“想い人”の仇―― 衝撃の真犯人が今、浮かび上がる!!!!

白暮のクロニクル(9)

雪村魁は、不老不死のオキナガ。60年間「羊殺し」という、ひつじ年のクリスマスに起きる猟奇的な連続殺人事件を追っており、厚生労働省の夜間衛生官の新人・伏木あかりとともに、捜査を進めている。そんな中、魁の想い人にして、あかりの祖母だったことがわかり、長尾棗が殺された事件の12年前にも、羊殺しに似た殺され方をした女性がいたことが分かる。その女性の名は、伊集幸絵。あかりの上司にして厚生労働省の参事・竹之内唯一の婚約者であった。「羊殺し」に酷似した、伊集幸絵の殺人事件は、最初の「羊殺し」なのか? そんな中、当時事件の日から行方をくらましていた重要参考人が、偽名で生存していたことが発覚して…!?

白暮のクロニクル(10)

羊殺しの被害者の共通点とあかりの特徴が一致するなか、彼女が行方不明となり、懸命の捜索を続ける魁(かい)とオキナガたち。2015年12月24日。羊殺しの日が刻一刻と迫るなか、桔梗(ききょう)の魔の手は魁にまで迫る…… 12年毎の悪夢を止めることはできるのか。現代の吸血鬼×非日常ミステリー、ゆうきまさみの意欲作、クライマックスへ。

白暮のクロニクル(11)

12年ごとに繰り返される連続殺人事件「羊殺し」。その犯人である、茜丸(桔梗凪人)の逮捕により、事件は無事に解決したかに思われたが、まだ謎は残されていた。内通者、そして茜丸が連れていた少年・ボーヤの存在…… 新事実が発覚し、最後まで事件に取り組もうとするあかりだが、なぜか消極的な魁。そんななか、60年の眠りから目を覚ました章太の記憶が戻り始め、自分を殺された日のことを思い出して――― すべての鍵を握るボーヤ、その驚きの正体とは!? 現代の吸血鬼×日常ミステリー、完結!

白暮のクロニクル

白だ黒だが簡単にはハッキリしない、というリアリティ感

白暮のクロニクル ゆうきまさみ
名無し

分類をするなら探偵物とかミステリーになるか? 特殊能力を有する主人公のディテクティブ・ストーリー と言うべきか? だがそれだけにとどまらず、少々SF的な設定だが、 SFとしてもミステリーとしても ホラーだとかサスペンスだとかとしても 命とか人生を問う作品としても、とても良作だと思う。 主人公が有する特殊能力は「ほぼ不老不死」 息長(オキナガ)という殆ど不老不死の人間が、 1000人に1人くらいの割合で存在し、 世間もタテマエ的には認知し行政も仕組みを整えており、 一般人とオキナガがちゃんと共棲している、 とされている現代日本が舞台。 しかし現実にはマイノリティな存在のオキナガは 色々と差別・迫害を受けている。 厚労省の新人・伏木(身長180cm近い女性)は 行政側の人間としてオキナガと関わることになる。 オキナガにはほぼ不老不死と言うこと以外にも特徴があって ・オキナガとして「成り上がった」時点で容姿その他?  の成長が止まる ・日光を長時間浴びると死に至る ・食欲や性欲レベルで喫血嗜好が沸くこともある その他にも色々と特殊な面があるオキナガだが、 伏木が担当したオキナガ・雪村カイはさらに特殊だった。 見た目は18歳前後の少年。実年齢は88歳の雪村。 彼は、12年ごと70年以上に渡って羊年の年末に 繰り返されている連続殺人事件「羊殺し」の 真犯人を執拗に探していた。 伏木は巻き込まれる形で雪村と行動を共にすることになり、 「羊殺し」に関わっていくことに。 模倣犯罪やタテマエや現実や、行政の施策と効果のギャップ、 そして不老不死の人間達がそれゆえに直面し、 抱えこみ、蓄積していかざるを得ない社会的現実。 雪村と行動を共にすることでそれらを実体験しながら、 羊殺しの真相とともに思いもよらなかった世界を 伏木は知ることになる。