「なぜ、赤羽だったのか…?」こんな地味な街をどうして漫画に描こうと思ったのか?大手出版社で華々しくデビュー~打ち切りでドン底&失意の日々~本作『東京都北区赤羽』でその苛烈な才能を開花させるまで、清野とおるの漫画家としての半生をドキュメントした長編自伝エピソードをはじめ、おなじみ歌うホームレスのペイティさん、フィリピンパブのハイテンションおねえさん、とあるイタリアンレストランに隠された名ドラマなど。ヘンで面白くておかしくて情けなくて時々ほんのり切なくて…赤羽の多彩な面を表情ゆたかに切り取った名編・珍編つぶぞろい全10話収録の第8巻!!
埼玉県民の私にとって赤羽(というか北区)は、半分埼玉の領土みたいなところがある。 埼玉県民の東京といえば池袋からで、赤羽とは埼京線(湘南新宿ラインも)で池袋の前に止まる、なんでここで止まるんだよ的なめんどくさい駅でしかなかった。 (この話は、フィクションです。) そんな赤羽を魔境の如く紹介する本がこれ。 何かと話題にはなっていたが、当時は食指が動かず、もはや埼玉県民ではなくなったので読んでみた。 正直、赤羽のこと褒めているのか貶しているのか、本当なのかフィクションなのかわからないくらい謎だった。 これ本当に赤羽にあるの?というか日本か?というくらいな感じ。 同じ赤羽を紹介するなら、「孤独のグルメ」第4話で出てきた、朝でも酒が飲める店で、そっちのほうがよっぽど魅力的に映ると思う。 ただ、それでも、おもしろかしく描かれる、著者なりの赤羽の街模様は愛に満ちていることだけ伝わります。 実家に帰る時に寄ってみたくなる・・・まではいかないけど、途中でとまるめんどくさい街から、あぁ漫画であった変な街なんだなくらいな思いにはなりそうです。