あらすじ放置されたままの幽霊ビルで、殺人が起こるという予告が!さっそく調査に向かった彩木(あやき)くるみは、怪しげな5人組と遭遇。間もなく、女性の死体を発見する。暗闇の中に巧妙に仕掛けられたトリックをくるみは暴けるのか!?そして、くるみがどんどん刑事として優秀になり、あせり始めた恋人の伸吾。早いとこ既成事実を作りたい彼は、二人で住む家を探し始めた。紹介された物件は、森の中に建つ古い一軒家。そこで遺産がらみの殺人事件が……。
いつの時代でも犯罪捜査という題材は受けがいいようです。加えて、時代によって人気になる捜査手法がでてくるのが、ジャンルとして廃れない理由かもしれません。この作品は”安楽椅子”系捜査官タイプで、動かないのではなく動けないのがミソ。自宅から外に出ない警視・氷室と、その手足となって動く婦人警官・くるみによる推理ドラマで、頭脳は氷室、行動はくるみという仕立てになっています。と、書くと、なあんだ、J・ディーヴァの「ボーン・コレクター」じゃん、と思う方もいるかもしれません。しかしこちらは、難しい科学捜査は省き、クールな氷室と、ふにゃふにゃ娘のくるみというキャラを生かし、より漫画らしく仕上げた作品。ドラマ化されたのも新鮮さとわかりやすさが同居してたからなのでしょう。さらに書くと、このドラマのキャストがはまっていたんですよね。氷室に堂本光一(テレビ誌によると警視を演じた最年少役者だそうです。警視って銭形のさらに上…)、くるみは深田恭子。漫画を読みながら当てはめてみると、わりと楽しめると思いますが、いかが?