あらすじ

「アポロジム」の会長・高塚リュウの差し金で、森崎みほはガリーのマネージャーになることになった。これは高塚がガリーを憎まれ役のボクサーとして売りだすための作戦のひとつだった。ボクシングをビジネスとしか見ていない高塚に、反感を抱く太郎。そんな太郎に高塚は、「ガリーへの挑戦を考えて欲しい」と申し出る。
太郎(TARO) 1巻

吉野太郎はプロボクサーでありながら、信用金庫に勤めている。職場でこのことを知っているのは、先輩の森崎みほだけ。森崎は懸命な太郎がついつい気になり、放っておけない。プロデビュー戦でKO負けした太郎の第2戦目の相手は、インターハイ準優勝の経験を持つ早見卓で…。職業・銀行員。5時からボクサー。拳に賭けた男の戦いがはじまる!!

太郎(TARO) 2巻

第4ラウンドの壮絶な打ち合いで、ダウンを奪ったのは太郎であった。しかし、早見も根性で立ち上がる。結局試合はこのまま引き分けになるが、観客の拍手は太郎に送られる。週明け、顔を腫らして出勤してくる太郎を見て、会社の上司は太郎に会社を自ら辞めさせるため、きつい外回りの業務を命じる。

太郎(TARO) 3巻

太郎はプロ第3戦の相手に、いともあっさりとKO勝ちしてしまう。初勝利に再び笑顔を取り戻した太郎。しかも、この試合を太郎の営業先の社長が見ていた。ボクシング好きの社長は、以前は全く相手にしなかった太郎に興味を示し、経営するアパートでのトラブルを相談するのだが…。

太郎(TARO) 4巻

大阪での試合の直前、太郎はデビュー戦で戦った外国人ボクサーに襲われそうになる。実は2人は、子供の頃その外国人の母国で出会っていた。しかも、太郎の父親はその外国人ボクサーの姉に許し難い行為をしていたのだった。試合に勝っても、そのことが頭から離れない太郎は…。

太郎(TARO) 5巻

ガルシアから言われた欠陥が気になる太郎は、大阪まで出向き、ガルシアとスパーリングをすることに。前半、おもしろいようにあたる太郎のパンチ。しかし、ガルシアにはダメージが少ない。つまり、太郎の欠陥とはパンチが軽いことであった。この事実にショックを受ける太郎は…。

太郎(TARO)(6)

デビューからずっと太郎を見続けてきた森崎は、恋人との結婚が迫っていた。しかし、どうしても太郎のことが気になる森崎は、結婚を白紙に戻してしまう。森崎のことをあきらめられない元婚約者は、太郎の元へやってきて、森崎から手を引くように頼む。何も知らなかった太郎は動揺するが…。

太郎(TARO)(7)

「エビハラボクシング」に出向いた太郎は、堀内というボクサーと知り合う。太郎と違い、才能もセンスもないボクサーである堀内だが、以前のさえない人生よりは充実しているという。しかし、皮肉なことに太郎の次の対戦相手が堀内に決まる。動揺する太郎。早めに試合を終わらせるため、1ラウンドKOを狙うが…。

太郎(TARO)(8)

4連続KO勝ちとなった堀内との試合がテレビで放送されてしまい、次の日会社ではその話でもちきりとなる。会社は宣伝効果を期待して、勝ち続ける限り、太郎のボクシング活動を認めることにする。うかれる太郎は、その夜ジムをさぼり、あゆと一夜を過ごしてしまう…。

太郎(TARO)(9)

太郎の6回戦の相手セコンドには、以前引き分けた早見の姿があった。対戦相手には苦戦しながら何とかKO勝ちするが、早見に太郎の欠陥であるパンチの弱さを見抜かれてしまう。一方、会社ではまたもやKO勝ちした太郎をみんながもてはやし、担当地区も与えられ、一人前扱いされることになる。

太郎(TARO)(10)

太郎とあゆの関係に気づいた森崎は、自分が太郎をひとりの「男」として見ていることに気づく。そして、太郎のボクシングのように「自分にできるもの」を探すため、会社を辞めることを決心する。一方、太郎は対早見戦のため、サウスポー対策に取り組む。自分には早見を倒すような強いパンチをもっていないと焦る太郎は…。

太郎(TARO)(11)

「眠れるパンチ」を見つけた太郎は、トレーナーと共に特訓に励む。しかし試合当日、自信のない太郎は、師・花形から受け継いだオーソドックスなボクシングスタイルで試合に臨むことを決める。1ラウンド、早見のパンチを見切り、おもしろいようにパンチを当てていく太郎。しかし、それは早見の作戦だった…。

太郎(TARO)(12)

5ラウンドのダウンをきっかけに、太郎はオーソドックススタイルを捨てる。そして、サウスポーのデトロイトスタイルにスイッチする。もともと左利きの太郎の左パンチこそが、「眠れるパンチ」だったのだ。一気に勢いを取り戻す太郎。そして、運命の最終ラウンド。早見のお株を奪うフェイントから…。

太郎(TARO)(13)

仕事のためなら手段を選ばない渥美課長に、ついていけない太郎。そんなある日、太郎は渥美課長の車の中から森崎の写真を見つけてしまう。動揺する太郎。渥美課長も太郎と同様、森崎に思いを寄せていたのだ。一方、その森崎は会社を辞めた後、スポーツジムに水泳インストラクターとして勤めていた。

太郎(TARO)(14)

太郎はWBCバンタム級チャンピオン・イワンのスパーリングパートナーを勤めることになる。世界で一番強い男と同じリングに立てることに心が躍る太郎。会場に向かうと、ライバル・ガルシアが先にスパーリングをしていた。しかし、全く歯が立たない。結局ガルシアは、チャンピオンの顔面にパンチを入れることすらできなかった。

太郎(TARO)(15)

太郎の会社の取引先である正宗印刷が倒産してしまう。2千万円を回収するため、張り込みをしていた太郎だったが、まんまと夜逃げされてしまう。渥美課長は居場所を突き止めるため盗聴器を仕掛けようとするが、太郎は反対する。チャンピオンをめざす太郎はあくまで正攻法を主張する。

太郎(TARO)(16)

太郎にあまり相手にされないあゆは、寂しさのあまり自分を見失う。そして、あやしい宗教にはまってしまう。太郎の力になりたいあゆは、精神的パワーがアップし、自分以外の人間にすごい影響力を持てるようになるというコースを受けることに。だが、このコースを受けるには多額の費用がかかり…。

太郎(TARO)(17)

「アポロジム」の会長・高塚リュウの差し金で、森崎みほはガリーのマネージャーになることになった。これは高塚がガリーを憎まれ役のボクサーとして売りだすための作戦のひとつだった。ボクシングをビジネスとしか見ていない高塚に、反感を抱く太郎。そんな太郎に高塚は、「ガリーへの挑戦を考えて欲しい」と申し出る。

太郎(TARO)(18)

「アポロジム」から、チャンピオンへの挑戦を持ちかけられた太郎。熊田会長はまだ時期尚早だと言い張るが、ガルシアとの古い因縁に決着をつけるために、太郎はすでに意志を固めていた。翌日、アポロジムへ出向いて試合のオファーを受けることを伝えた熊田は、試合にあたってひとつだけ条件をつける。

太郎(TARO)(19)

敵地・韓国へ乗り込んだ太郎。VS白烈鉄(ペク・ヨルチョル)戦の開始時間まで、あと1時間を切った。韓国の英雄と呼ばれるほどの強打を誇り、過去に世界チャンピオン・イワンに2度も挑戦。だが、薬物に手を出してしばらく引退同然だった白の再起戦とあって、会場は異常な興奮に包まれていた。

太郎(TARO)(20)

太郎との日本タイトルマッチへ向け、調整を続けるチャンピオン・ガルシア。だが、強敵との試合を前にして過酷な減量を続け、ただでさえその精神状態は極限にまで張り詰めているのに、これ以上筋肉を付けないよう過度の練習を禁止され、ついに切れてジムで大暴れをはじめる。マネージャー・森崎は…。

太郎(TARO)(21)

吉野VSガルシア戦まであと36時間。「アポロジム」会長・高塚の元へ、ガルシア行方不明との連絡が入る。妻のサンディが入国管理局に拘束され、元々所属していた新世界ジムのある大阪の地を、ひとり訪れていた。だが、ジムもつぶれ、行く当てもないガルシア。明日の試合はどうなるのか…。

太郎(TARO)(22)

左コブシの骨折にもめげず、見事チャンピオンになった太郎。一夜明けて、信金の寮の庭いじりに精を出していた。そんな時管理人さんから、ガルシアが日本のジムをやめ、故郷に帰ることを聞き、おおあわてで成田空港へ駆けつける。やっとガルシアを捜し当て、彼から事情を聞いた太郎は…。

太郎(TARO)(23)

イワンが王座から陥落したことを耳にした太郎は、その後行方をくらましたという彼を捜してアメリカ・ロサンゼルスへ飛ぶ。そこでイワンから彼の壮絶な過去を聞かされる。自分とはまるで違う世界で生きていて、チャンピオンになるべくして生まれた男・イワン。弱気になった太郎は…。

太郎(TARO)(24)

世界タイトルマッチを控え、沖縄でキャンプをはる太郎。そんな彼のもとへ、突然ガルシアが太郎を元気づけるために現われた。一方、世界チャンピオン・ホセに会いに行った熊田会長は、ホセが怪我をしたため、試合をキャンセルしてほしいと言われる。ホセの負傷により、代わって前チャンピオンであるイワンと戦うことになった太郎は…。