野原ひろし 昼メシの流儀

中年男性に響く安定した面白さ2

野原ひろし 昼メシの流儀 臼井儀人 塚原洋一
六文銭
六文銭

中年男性に響くといえば『1日外出録ハンチョウ』と2大巨頭だと思っている本作。 正直、言います。最初読んだ時 「野原ひろしである必要あるか?」 と思いましたし、最新刊読んだ今もその思いは変わらないです。 野原家の設定、必要あるのだろうか? しんちゃんも、ひまわりも、みさえも、シロも一切出てこないです。 セリフか、手とか体の一部しか出てこない。 そうなってくると、これはもう我々が知っている「野原ひろし」じゃない別の人間なんじゃないかと思えてくる。 というか、そう思えても、別に何の問題ないです。 有りていに言えば、おっさんが一人昼飯を食べるだけの漫画だからだ。 これが何故か面白い。 「孤独のグルメ」も、そうなのですが、ちょっとした料理の豆知識とともに、ひたすらおっさんが食べたいものを美味しそうに食べている。 ただ、それだけなのに不思議と面白い。 料理をどう食べていくかの順番を、思考で組み立てていく感じが読んでいて楽しいのか、いまいち言語化できないので、もう読んで欲しいとさえ思う。 孤独のグルメが好きなら、たぶん好きになると思います。 何も考えずに読めて気づけば全部終わっているという、するする読めて、そのわりに何度も読みたくなるクセになる作品です。