ライフル・イズ・ビューティフル

かわいい女の子の玉手箱や…!!

ライフル・イズ・ビューティフル サルミアッキ
ななし
ななし

高校射撃部の1年生女子たちのゆるい4コマ漫画。こういういわゆる「可愛い女の子が可愛いことしてるだけ」な漫画は普段読まないんだけど、ライフルというテーマに惹かれて読んでみたら良さに目覚めた。 主人公たちの部活のメンバーはもちろんのこと、各地のライバル校の選手たちも個性豊かでとにかく可愛い! **お嬢様、ちびっ子、メガネ、色黒、V系、幼馴染、部長副部長、最強などなど、、多種多様なJKとその関係性を見ているだけで最高に癒やされる。** ちなみに1巻表紙のメインの4人は、他の漫画のキャラで例えるなら唯・紬・レイ・アスカという感じ(エリカに関しては完全にアスカオマージュのセリフがある)。 日常パートも試合パートも、基本的には4コマ形式で描かれるけど、クライマックスではコマ割りが自由になる演出がすごく好き。 初めは射撃について何にも知らなかったけど、読み進めていくうちに勝手に知識がついていったし、ライフル射撃の魅力がわかるようになった。たぶんだけど採点競技が好きな人は**「反復を繰り返し、自己ベストを尽くしつつ他者の得点と競う」**ライフル射撃にハマると思う。 4巻ではエア(実弾)への挑戦も始まったし、10月からはアニメも始まるし今一番作品が盛り上がってるタイミングなのでぜひ…! 【第1話】「ライフル・イズ・ビューティフル」サルミアッキ https://tonarinoyj.jp/episode/13932016480028985966

HEART GEAR

終末後の世界を生き抜くドロイドたちとひとりの少女

HEART GEAR 高木勇志 タカキツヨシ
mampuku
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 「BLACK TORCH」のタカキツヨシ先生新作。手堅い能力バトルな前作とはうってかわって終末後の世界を描いたSFです。ど迫力のメカアクションにあっと驚く展開、「BLACK TORCH」と比べてもスケールアップが著しいです。  そして変わらず素晴らしいのがキャラの魅力的なこと。感情豊かな人間の少女ルゥ。人間らしいコミュニケーションを会得した、AIを搭載したロボットたち。人間(AI?)ドラマとしても面白いです。  人工知能を決して低く見ていないのが実に今どきの近未来SFって感じでいいですね。「AIには理解できない人間どうしの機微」というのは将来的になくなるそうです。機械が人間を知性で上回り、強力な機体をもち、自立した活動を行えた場合、人間は彼らの下位的存在でしかなくなってしまうのでしょうか。絶滅後の生き残りであるルゥは、その存在の珍しさから好奇心を満たす存在としてドロイドたちに可愛がられています。あるいはクロムのように、ルゥを守ることを使命としてプログラムされたドロイドもいます。どちらも見かけ上は人間が抱く愛情となんら変わりなく思えます。人間の感情も脳内物質の伝達とニューロンの発火からなるアルゴズムといいますし、作中のように高度に発達しいたドロイドと人間の差なんてあってないようなものかもしれません。

さよならミニスカート

この作品を『りぼん』で連載する意味を考えたい

さよならミニスカート 牧野あおい
sogor25
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アイドルのセンターを務めていた女の子がある事件をきっかけにアイドルはおろか女の子であることをやめてしまい、男子の制服で学校に通い始める…現実に起きた事件も想起させるようなインパクトのある導入から始まる今作ですが、それ以上に話題になったのは、この作品が小中学生の女子を読者層として持つ『りぼん』で連載開始されたこと、およびその『りぼん』の編集長が連載開始にあたり異例の声明文を出したことだったように思います。 この物語はそれぞれが遭遇した事件を通して自分が「持って生まれたもの」「持たなかったもの」を自覚してしまった少年少女が、そのなかでどう生きて行くかをもがきながら探していく物語だと私は受け取りました。 もちろんそれはジェンダー的なものもあるし、もっと普遍的な自身のアイデンティティに関わることも含まれます。それら多くのものを内包したうえで物語が編み出されていることに素直に感動するとともに、私自身も自分が持って生まれたもの、自分に配られたカードで人生を生きていかなければならないということを意識せずにはいられませんでした。もしかしたら、生徒同士の自意識にグラデーションのある高校の一教室を舞台に描かれていることが、逆に主人公たちの自意識というものを強く感じさせる構造となっているのかもしれません。 ここからは個人的な考えになってしまいますが、2巻までで唯一作品に入り込めなかった場面がありました。それは2巻中盤、仁那が長栖にアイドルだった時の気持ちを聞かれた場面。そこで吐露される感情は私の中にはないもので、この場面については共感することができませんでした。 恐らくこれは、私自身が幼少期も含めてアイドルというものに傾倒した経験がなくて、アイドルに元気を貰うということに対して実感をもって理解できないためではないかと推測しています。そして、純粋にアイドルという存在に憧れることができる10代までの女性が、同じようにアイドルという存在にレゾンデートルを重ねる仁那の様子から最も多くのものを感じ取れるように思うし、そういう点がこの作品を「りぼん」で連載する意味なのではないか思い至りました。 2巻まで読了

終末のハーレム ファンタジア セミカラー版

本家より上品でまとまった仕上がりだが、終末……?

終末のハーレム ファンタジア セミカラー版 LINK SAVAN
mampuku
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 Web連載の人気お色気SF作品「終末のハーレム」のスピンオフ、というか今のところ(2巻現在)どの辺が終末なのか…… 普通のファンタジー作品にしか見えませんw ただ、さすが紙で連載してるだけあって絵やストーリーは上質です。  本家のほうは作画が女性ということもあり、ディテールに凝っていてキラキラ(むしろギラギラ)している印象の絵柄ですが、「ファンタジア」の方はもう少し落ち着いていて、デッサンがしっかりしているのでとても読みやすいです。(ざっくり乱暴な言い方をすれば男性的な絵。)  本家のほうはそれこそ成人向け業界仕込みの筆力でこれでもかとエロティシズムをぶっこんで来ますが、いかんせん全年齢向けとしてリリースしている以上、いくら細かく描きこんだところで画竜点睛を欠くというか、実用性においても中途半端であることは否めません。逆にファンタジアくらい身体の骨格や筋肉がちゃんと描写できているほうが、全年齢では強い気がします。「ToLOVEるダークネス」や「なんでここに先生が」もそうですし、エロに限らず主要な少年誌で連載されてるラブコメってみんな人体上手いですよね。  一応内容にも触れておくと、個人的に騎士のセリーヌが好みで、普通であれば主人公の幼馴染であるアウレリアに主人公を持っていかれるであろう「負けヒロイン」のオーラが濃い彼女ですが、タイトルからして「ハーレムエンド」が約束されているのでそこはひとまず安心か……