私の正しいお兄ちゃん

もし好きな人が犯罪者だったら?

私の正しいお兄ちゃん
名無し
1年以上前

モリエサトシ先生の新連載。 いかにも白泉社的なシンプルな絵柄と、分かりやすいラブ&サスペンスに満ちた導入。 主人公は筋金入りのブラコンだが、兄に似ている上に影のあるヒーローの魅力に抗える気がしない。 しかし展開しだいでは、実際の兄の行方と事件が絡んで、面白いミステリーになりそう。

夢かもしんない

つぎはぎだらけの幸せでも

夢かもしんない
ナベテツ
ナベテツ
1年以上前

幸せか?と訊かれて、ためらいなく頷くことが出来る大人は、どれくらいいるのでしょう。少年の日に思い描いていた大人と今の自分との間に、どれくらいの距離があるのか。殆んどの人間はそんなことを忘れてしまうんでしょうけれど、この作品は、くたびれた大人になった主人公を「ハッピーにしてあげる」という謎の美少女が出会い、始まります。 ピュアであるということは、必ずしも良いことではないと分かるくらいには老成してしまった人間は、彼女の問いかけに対して恐らく言葉をなくしてしまうのではないかと思います。それでもこの物語を読んでしまうのは、恐らくある種の郷愁があるからではないかと思います。もう戻ることの出来ない時代があると理解して、ただ喪ってしまったことを嘆くのではなく、手にしたものをいとおしむことが出来る大人になったと自覚すること。星里もちる先生は、物語の中に数滴の「毒」を混ぜる人なんですが、この作品はそのバランスが絶妙だと思いますし、その毒を包む糖衣は比較的受け入れられやすいと思います。

ハルの肴

東京行ったら両国の居酒屋行きたい

ハルの肴
む
1年以上前

ハルちゃん可愛い! まじ人情!下町!という感想が一番にくる漫画です。安心して読めます。 キャラがご飯を一口食って次のコマで穏やかな顔になったときなんか読んでてホッとします。 人情、家族、居場所。 東京の居酒屋ってこうあってほしいし、飲みに行って仲良くなりたいんですけど! 実際にこういう場所あったら教えてください;

百大兵器譜

古くてクールで熱い!!双子の復讐譚

百大兵器譜
たか
たか
1年以上前

まず絵がカッコいい…!細い筆で描かれたような線と、薄墨のような陰の塗りがシンプルで美しい…!!そしてアクションシーンでは筆ならではの荒々しさもあって最高!!アオリ・俯瞰、構図の切り取り方も好き! 岸本斉史、墨佳遼っぽいかっこよさを感じた。 古代中国が舞台にもかかわらず、SDキャラになってギャグをやるのが作風に馴染んでるのがすごい。 こういう歴史ファンタジー系の作品(特にホストみたいな髪型の妙に現代的な言葉遣いをする侍が出てきたりする漫画)は正直もう見飽きてしまってうんざりしてるはずなのに、この作品は街並みの絵だけで「うわこれ絶対おもしろいやつ…!」とワクワクした。 始めから終わりまでストーリーの見せ方が上手い、メチャクチャいい読切。 モアイ公式で全部読めます! http://www.moae.jp/comic/100daiheikifu  

AIの遺電子

未来の話のようで実は現在の話でもある

AIの遺電子
takaaki
takaaki
1年以上前

作品の舞台は,人間とほとんど同じヒューマノイドがいる未来.一見まだまだ先の話のようですが,子供ができないヒューマノイドと付き合う人の葛藤が描かれたり,「これは現在の人と人の関わりにも繋がる話なのでは?」と感じるシーンが多いです. 「超AI時代が来ても,結局は向き合うべきことは今と変わらないのかもしれない」と思わせてくれる名作です.

終わりと始まりのマイルス1

鬼頭作品読み漁ってる

終わりと始まりのマイルス1
名無し
1年以上前

炁が影響するという独特な世界の話 メカ好きな人、ちょい古漫画によくある男子がエロいの大好き設定が好きな人、読んでみて ファンタジー設定云々は置いといて、物が人の想いによって浮くとかなんか神秘的で面白い。 思い入れのあるものほど、愛するものほど空へ還ってしまうという設定、ロマンチックで物悲しくて素敵

マトリズム

1巻読んだ感想

マトリズム
nyae
nyae
1年以上前

あらすじにある通り、薬物とは無縁だった人が、ストレスや不安から逃げたいと願ったり、日常にちょっとした刺激がほしいと思ったときに、意外と身近で手に入ったとしたら… 真面目に捉えれば決して他人事ではないという気づきや危機感を覚えることができますが、やはり怖いもの見たさでどんどん読み進めてしまう「中毒性」のある漫画です。 リアリティのある内容はもちろん、 ガサツで乱暴、毎度懲戒免職ギリギリだけど、たぶん正義感も強い草壁と、 とにかく確実に違法者を捕まえて、点数稼ぎに尽力する冷静な冴貴のコンビがとてもよい。 実写化するなら…と妄想してしまいます。

格闘太陽伝ガチ

常識に抗う。

格闘太陽伝ガチ
ナベテツ
ナベテツ
1年以上前

今は主に漫画原作者として活躍している青山広美さんが描いた、総合格闘技の漫画です。連載時に読んでいたのですが、数年前にふと思い出して読みたくなり、古本で全巻揃えて読み返し、青山さんの創作の根底には「常識に抗う」という要素があるんだなあと思いました。 総合格闘技にショーアップされたプロレスで挑んだり、スープレックスを決め技にしたり、大相撲の現役の大関とレスラーがガチンコで戦ったり…。麻雀漫画の不朽の名作である「バード」もそうですが、世間の常識に対して抗う、その闘争こそがこの作者の真骨頂だと思います。 作品に漂うダークさや残酷描写も含め、唯一無二の作品であり、恐らく埋もれてしまっているのですが、一人の少年の成長物語としても良い作品だと思います。

赤ずきんチャチャ

愛されキャラクターの宝庫

赤ずきんチャチャ
nyae
nyae
1年以上前

続編も連載され、過去にはアニメ化も舞台化もされているし、90年代のりぼん作品の人気上位に入るめちゃめちゃ愛されている名作です。 この作品の中に出てくるキャラクターの数と、それぞれの設定の完成度の高さを鑑みると、彩花みん先生がどれだけ天才か、ということが大人になってから気づきました。 ある意味、漫画家を志す人の教科書にもなり得る作品だと言えます。 そういう見方があるというだけで、純粋に読むだけで最高の漫画なのですが… 一旦終わってしまったのは残念ですが、続編が連載されていることがたくさんの人に愛されている証拠ですね。 一生描き続けてほしいです。

書店員 波山個間子

主人公は三度の飯より本が好きなブックアドバイザー

書店員 波山個間子
名無し
1年以上前

「あっと驚くような本が読みたい」そんなお客さんの無茶ぶりにも答える書店員の波山個間子が主人公。作中で登場するのはどれも実在する本なので読者が好きな人には特にオススメです。個間子があらすじを説明する場面では、もちろん読んでみたい!と思うし、自分がその本を読んでいるような没入感も味わえます。隠れた名作を知れるだけでなく、本と向き合うことの楽しさを描いた作品だと思います。全2巻なのが信じられない面白さです。

モブ子の恋

キュンキュンするので読んで

モブ子の恋
む
1年以上前

なんと初々しいんだ〜!心が洗われる! モブ見たいな子とまあまあ地味目な男子の恋 そんな設定のラブストーリーはたくさん読んだ、読み飽きたと言う人、騙されたと思って読んでみてほしい。 モブポジションだからなのかこの子らの性格なのかわからないけど、純粋、ストレート、でとても理想的な恋だと思いました。 これは恋に恋してしまう…な。 漫画読んでてニヤニヤしてしまうやつです。まじ理想。 名前はモブ子でも全然モブじゃない、これこそラブストーリーの目指すメインカップルでしょ。

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

一冊で心動かされる漫画と言えばこれ

志乃ちゃんは自分の名前が言えない
いい漫画読み野郎
1年以上前

タイトルそのまま。自分の名前言えないコンプレックスはしんどいだろうなと思います。 自分も滑舌怪しいのでちょっと共感。 押見修造作品の中でも好きな作品でした。 不満、こうなりたい、こうありたいが全面に出た本。 最後の方、なんか読んでて泣きそうになります。 吃音がある人じゃなくても自分こういうコンプレックスあるな、みんなあるのかもしれない、だからそんなに落ち込まなくても大丈夫だと思わせてくれる本。 いい本に出会いました。

名探偵コナン ゼロの日常(ティータイム)

あれ?面白いじゃん…!

名探偵コナン ゼロの日常(ティータイム)
名無し
1年以上前

なんとなく抵抗があってスピンオフ作品は読まない自分だったのですが、読んでみたら面白い…! 読者がみたいであろう部分が漫画になってて補完的に面白買ったです! 安室さんが原作ではバリバリかっこいい感じなのに、こちらでは犬を助けたりして穏やか、隙がある感じ。 探偵的な蘊蓄も会話の中で出てくるのでへぇ〜と思って読みました。 人気な理由がわかりました。

御用牙

小池一夫原作の漫画で好きなのを三つ上げろと言われたら確実に入る傑作

御用牙
マンガトリツカレ男
マンガトリツカレ男
1年以上前

北町奉行所の同心・板見半蔵(通称:かみそり半蔵)の格好良さとダークヒーローってのはこういうものだというのを味わう漫画 単純ないい話でで終わるのではなく、悪党を対峙するにはより悪党に詳しくより悪党にならなくてはならないという感じで悪党の弱みを握って自分自身の権力の増大しつつと自らの行動の正しさを証明していく。 途中まではすげー好きなンだが、後半は前半の爽快感があまりないのが残念 全てが悪党と対決するための行動になっているため定期的に入るいろンなトレーニングシーンが最高にいい。武器である「あられ鉄拳」のトレーニング相手に地蔵を使いボコボコにしたり、各種拷問の効き具合を確認するために自分自身でためしたりと日々鍛錬を怠らない。ここではあえて紹介しない面白トレーニングも色々あるので是非読ンでほしい。

新大久保で会いましょう

新大久保が舞台のイケメンわんさかグルメコメディ

新大久保で会いましょう
nyae
nyae
1年以上前

売れない崖っぷち漫画家の花(30歳独身)、冒頭からいきなり彼氏に振られてどん底にいたところ、気分転換に美味しいものを求めてさまよい歩いていたら、最高美味しいグルメとイケメンの街、新大久保にたどり着いて… いきなり3人のイケメン(そのうちの1人は女子)と唐突に仲良くなって、まさにシンデレラストーリーが繰り広げられるかのように思えますが、 意外とラブコメ要素は少なく、イケメンたちとの交流の中で、美味しい韓国グルメに出会って感動しつつ、本業の方も少しづつ上向きになってゆく、という話ですね。 最近、新大久保の賑わいにやっと関心をもつようになって、出てくるのも本当にイケメンだったので、読んでみました。 イケメンたちと花が仲良くなる過程はかなりスピード感があってなぜそんなにみんなは花に惹かれるのかはあまり良くわかりませんが、 キャラそれぞれの人となりがとても魅力的で、本当にこんな子たちに会えるのかしら…と勘違いしそうになります。 自分的にはグルメ漫画としてよりは、4人が毎度繰り広げるドタバタを見てるのが楽しいです。

少年レボリューション ダディ・グース作品集

スズキさんの休息と遍歴―またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行

少年レボリューション ダディ・グース作品集
(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し
1年以上前

ダディ・グースは、かつて幻の漫画家だった。 70年代初めに、週刊漫画アクション誌上で鮮烈な印象を与える作品を発表しながら消えた、伝説の存在であった。 だが、既に、ダディ・グースが後の小説家・矢作俊彦の若き日の姿であったことが明らかになっている。 矢作は、最近新作が38年ぶりに発表され大きな話題となった『気分はもう戦争』(大友克洋画)や、『サムライ・ノングラータ』(谷口ジロー画)、『鉄人』(落合尚之画)などの漫画原作を手がけてはいるが、基本的には、小説家として活動している。 大変申し訳ないが、このクチコミは「少年レボリューション」に対するものではない。 (興味があるかたは、高騰している中古などで手に入れてもらうしかないが、現在の漫画読者が読んで面白いものとは、ちょっと言えないと思います) タイトルに書いた『スズキさんの休息と遍歴―またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行』という、矢作俊彦の“小説”について、書きたいと思う。 なぜ漫画のクチコミで“小説”を取り上げるのか、と言えば、これこそが、元漫画家で後に小説家になった表現者が、その可能性を真に見せつけたものだと信じるからだ。 この小説には、元「気鋭の漫画家」だった矢作自らが、物語世界に有機的に存在する多量の「絵」を添えていて、その見事さも、この小説の魅力となっているのだ。 初めて読んだ時、「ああ、これこそが、漫画を描ける小説家の“新しい”小説だ!」と感嘆したのを覚えている。 「漫画」という表現が持つ力は、必ずしも漫画それ自体の中にだけ存在するわけではない。小説『スズキさん〜』は、「おそるべき子供」であった漫画家ダディ・グースの、「最新作」でもあったのである。 矢作のように、元は「あまり売れない漫画家」で、後に小説家になったものといえば、山田詠美(漫画家のペンネームは山田双葉)が思い浮かぶが、彼女は画力の点で漫画家として決して高いレベルではなかった。 著名な例では、小松左京が「もりみのる」などのペンネームで漫画を発表していたり、山上たつひこが漫画の筆を折って小説家・山上龍彦に転身したりなど、実は漫画家(ないしは漫画家志望)だった小説家というのは、結構いるのである。 極めて特殊な例で、イラストレーターとしてデビューし漫画的作品を発表している橋本治がいるが、漫画にとても詳しかった彼が「漫画家志望」であったかは寡聞にして知らない。(橋本の作画能力は素晴らしく高いが、超多才だった彼に漫画を描くことを期待するのは、少し酷だったろう) しかし、どの場合でも、「漫画」と「小説」の世界観やテーマに共通性があっても、その両方の能力を活かして作品を作り上げた例は、あまり見つからないと思う。 この矢作の『スズキさん〜』は、本当に貴重なトライであり、先鋭的な達成だったのだ。 『スズキさん〜』が三島賞の候補になった時、審査員の大江健三郎が、その「絵」を激烈に批判して落選させたと、最近、やはり同賞の審査員だった筒井康隆が矢作との対談で明かしていたが、それもその「新しさ」を証明する勲章である。 矢作俊彦=ダディ・グースという稀有でへそ曲がりな表現者が、再びそうしたトライをしてくれることを、ずっと願っているのです。

海の闇、月の影

作品に潜む「魔」を体感してください!

海の闇、月の影
名無し
1年以上前

主人公のルミとルカは一卵性の双子で、"2人で1人"の人間のように描かれています。けれども、なぜ一方だけがあの結末になってしまったのか…。 その結末にたどり着く要因は、是非作品を読んで見つけてみてください。 文庫版9巻くらい?にあった後書き(解説)がとても印象的だったのを覚えています。 この作品にはあらゆる「魔」が潜んでいる。 主人公のルミとルカは、自分の感情に潜む「魔」に取り憑かれた、 ジーンも故郷をルミとルカに見せたいという希望から生まれた、歪んだ愛の「魔」に取り憑かれた、 そして私たち読者も、時に恐ろしく残酷なこの物語の"続きが読みたい"という「魔」に取り憑かれていく…。 まさにこういう作品でした。是非、その「魔」を体験してみてください!

海月と私

sweet surrender

海月と私
ナベテツ
ナベテツ
1年以上前

漫画だけではないんですが、たまに「あ、この先の展開読めた」ってことがあるんですが、この作品は完璧な形で展開を読み間違えました。 3巻までに敷かれた伏線で、恐らく殆んどの読者が「こうなるのかな」と予想した展開に対して、作者は鮮やかな手つきで全く異なる物語を紡ぎます。多少なりとも漫画を読み続けてきた自信があり、舞台や映画でも伏線をまとめる手法も多少は読めると思っていただけに、この作品では本当に「やられた」という心地よい敗北感を味わいました。 勿論、作者が読者にミスリーディングを誘うその手法の巧みさを称賛すべきであり、敗北感を感じるのはお門違いも甚だしいというの勿論分かっています。ただ、この心地良い読後感と、作者の紡ぐ美しくて技巧に優れた漫画は、ただただ称賛に値する物語だと思っています。きっとあなたも、騙されると思います(そしておまけでニヤニヤすることも)。 一人でも多くの人に、この作品を最後まで読んでもらい、そして幸福な敗北感を味わって欲しい。 海月のようにとらえどころのない美女に、翻弄される男心。麻生先生の描く人物は、とても魅力的です。

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