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結婚・出産しても、母が住む実家とスープの冷めない距離で生活をしていた著者ありま。夫の転勤で初めて母と離れて暮らし、改めて母との忘れられない思い出がよみがえる。47歳でバイク免許、49歳でフルマラソン挑戦、60歳を過ぎて和裁や三味線を習う母は、いつも自分の人生を生きている。時に爆笑してしまう母のとんでもない「行動力」から、今も自分の芯となる母の「言葉」にまつわるエピソードをコミックエッセイにまとめました。「いくつになっても好きなことを始められる」「こんな風に年を重ねたい」と読めば元気が湧いてくる!人気刺しゅう作家が描く初めてのコミックエッセイ集です。
私がありまさんを認識したのは、Twitterで公開されていたこの本のChapter1 第1話にある
「アメリカで事故ってハッピーバースデーを歌ったうちの母」
でした。
アメリカのスーパーの駐車場でバックしていたら、ショートカットしようとしたおじさんと衝突してしまい烈火の如く怒鳴り散らされたものの、「It′s my birthday」というフレーズを聴き取った筆者の母君が店員さんたちと一緒にバースデーソングを歌うと途端に機嫌が良くなり謝ってくれたというほっこりエピソードです。
本書は、そんな素敵な母君様の心温まるエピソードや人生を生きる上で大切にしたいことが詰まった1冊です。
夫の仕事の都合で行った慣れないアメリカで、言葉が解らないときにどうやって英語を覚えていったのか。
介護でしんどくなってしまったときにどう対処したのか。
子どもが元気がなくて学校を休んだときにはどうしたか。
さまざまな、身近にあるシチュエーションで輝く母君の言動に読んでいて心が解れ前向きになっていきます。
バイクの免許を取ったりフルマラソンを走ったり、いくつになっても新しいことに挑戦し続ける気概や、実家での本格的な擬似縁日開催を全力で楽しむ様子を見ていると「人生の達人」と呼ぶのが相応しい気がします。
私もどちらかというと全力で物事を楽しむ方で、そこに一緒になって楽しんでくれる人が集まってくれることが多くて感謝しきりなのですが、母君様には似た気質を感じて共感します。
他方で、
「好きなものをちゃんと持っておく」
「自分の人生を生きなきゃ」
「そもそも人に謝罪と感謝を求めてはなりません」
といった言葉は、心に留め置いて大事にしておきたいものです。
ありまさんが母君様の言葉や存在によってどれだけ助けられ感謝しているかも伝わってくる内容でした。
心を前向きに持っていきたい方にお薦めです。これを読んで、人生を大安にしていきましょう。