現時点ではどう考えても非現実でありえない世界観だけど、人を殺すことに慣れるってこういうことかなと(その感覚自体は現実世界でもあると思うので)。日常生活の中に、学校があって、恋愛があって、殺人がある。不思議とリアリティがあるなと感じました。
元男子校に初の女子生徒として入学したれもんちゃんと、男子校のアイドルと呼ばれるほど見た目が可愛い男子・三木くん。 れもんちゃんは男子たちの期待とは真逆の女の子で、はっきり言って女装してる男子にしか見えない。見た目で勝手にキャラ付けをされてしまう、真逆なようである意味同じ境遇のふたりのこころの触れ合いを描いてます。 ふたりともかなりキャラが濃いのでラブコメにしなくても別に良かったんじゃないかなとも思いましたけど、れもんちゃんの風貌のガチっぽさはポイント高いです。
※ネタバレを含むクチコミです。
面白かった〜と何だこの漫画?という感想が同居する不思議な読後感。 作者の方ギャグ線も画力も高くて、過去作もあるみたいなので読みます!
環境に適応することのほうが大事になって、いつのまにか自分の中で育ってしまった「かいぶつ」。外から指摘されても自分がおかしいことに気付けない人のほうが多いんじゃないかなと思います。変えたくても難しいこともあるでしょうが、自分のなかにかいぶつがいたら見ないふりはやめようと思えました。
一般企業の会社員・美春はひとり時間が好きで干物作りが趣味。ひょんなことから隣に住んでいるキャバクラ嬢の夏子との交流を深め、美春がつくった干物でご飯を食べたりしながら仲良くなっていく。ふたりの交流をとおして今を生きる独身女性の生き方や価値観が見えてくる読切。
まず読んですぐ思ったのは「続きが読みたい〜!」でした。 もちろん1話だけでも十分な満足感を得られましたが…小鳥遊くんがどんな編集者に成長していくのか見守りたい。鶯谷先生からもらった言葉は彼にとって一生の宝になるだろうな…(泣)
この漫画を読み終わったあと、「悪(ワル)」読み切りというテーマのもと描かれていることを知って吹き出しました。そりゃそうだよな! でもどうだろう、このふたりの行動に悪意なんか微塵もなく、誰にも迷惑をかけていない。君らがやってることはルール違反だ、とはいくらでも言えるけど、読者目線からはどうにも「悪」とは思えないんだなあ。
こういうことがいつか自分の身に降りかかることはあると思っていたほうが良い。正直、気をつけようがないものでもあるけど。 ただこの漫画の何が一番恐ろしいかって、主人公が高齢者の一人暮らしということだ。まわりの友人知人は、主人公に何が起こっているのか察しているにも関わらずそれを直接伝えることはしないし、ましてや病院をすすめることもない。優しい言葉をかけて少し距離を置くだけ。 彼女のこの先を考えてものすごく不安な気持ちになって読み終えた。
亡くなり方はそこそこ悲惨だったみたいだけど、こうやって生前のそのひとを思い浮かべてそのひとが喜ぶであろう見送り方をしてくれるひとがいるって、幸せなことですね。
【第94回新人コミック大賞佳作受賞作】