オムニバスホラー
オムニバス形式で進んでいくホラー系のマンガ マンガワンでたまたま見かけて読んだら、これは面白い!更新が楽しみな作品の1つです 物語としては単話毎で完結していて、その次の話と少し連動したりしなかったり スプラッタやグロというわけではなく、背筋をゾワゾワ這われる様なホラー系なので、個人的にはかなり刺さる 読みやすい作品なので、とりあえず1話読んでみていただきたい
【鳥肌保証】予測不能の終末世界ホラー開幕 ここからあなたが覗くのは、人類終焉最悪のシナリオ。まともじゃないこの世界で、あなたは正気を保てますか? 遺伝子改良を施した、生まれた時から優秀な才児。一切の不健全を許さない徹底した教育。死者の魂を呼び戻す儀式の流行。利便性のために、管理のために、欲望のために… 生まれてしまったディストピア。その果てに待つものは、生きている意味を見失うレベルの恐怖。予測不能のディストピアホラー。壮大な終末の物語が始まる。
バズりにバズった「笑顔の世界」を始めとするホラー短編で『ちゃお』読者にたくさんのトラウマをもたらしたホラーの名手・岬かいりさんの新作です。
今回も、1話ごとに恐ろしい世界をたっぷりと見せてくれます。あたかも『世にも奇妙な物語』の怖い回のような、さまざまな設定がなされた世界における恐怖の数々。本作の特徴としては、単話ごとに楽しめるように描かれているのですが、それぞれのお話ごとの繋がりが明確に描かれておりやがて収斂していくことを仄めかす構成が挙げられます。
短編としても楽しめながら、大きな設定がもたらす謎やサスペンス性により1粒で2度美味しい作品です。
『笑顔の世界』のクチコミにも書きましたが、岬かいりさんの描く歪んだ世界はただ露悪的なだけではなく現実世界と地続きなのが印象的です。
さまざまなディストピア感が描かれますが、それらは決してファンタジーではなくややもすれば現実で人間の愚かさや弱さが引き起こしてしまいそうなものでもあります。逆に言えば、人間が愚かであるからこそこうした物語による警鐘が必要であり、それを浴びて生きてきた血脈がこうした物語に対して悍ましくも目が離せないという感情を抱かせるのかもしれません。
岬かいりさんは、個々のシーンにおいても「通常であれば読者はこういう感情を持つから、こういう反応を期待するだろう」という部分をそのまま描かず、たくさん裏切ってくれるのもまたホラーに合っています。
終わったときには近年のホラー系作品の中でも一際名作として聳え立っていそうです。