お姫様と騎士でなく、お姫様と侍女のお話
表紙が怖かったけど、レビューはそんな感じでもなさそうだったから読んでみた。 絵柄はすごく細々としたところまで描かれていて、お姫様の髪の毛はとてもキレイで、侍女のフルゥはあほ格好良く。 遺言の下、政争に負け、修道院に入れられたお姫様。 なにがどうなるのか、どう乗り切るのか。 手助けと思えたものは手助けでなく、周りは全て敵。 読んでいて、フルゥは修道女たちをバカにしたかんじがしたけど、実際そうだったのかもしれない。 フルゥにとっての世界はお姫様が王宮で暮らしていてそれにつくことだったから。お姫様が修道院で修道女をしている現実そのものが受け入れられない。 仮の場所と思っている。読者は良くも悪くも、フルゥの視点に引きずられる。 読み終わって、ハッピーエンドだけど、救われないなあと思ってしまった。
「守る者と守られる者」「野蛮と高貴」の関係性からお互いの胸の思いを口にし、死の瀬戸際で王女と侍女の役割から解き放たれるラスト。この描き方がとても好きだった。
カメラの使い方というか、1コマ1コマがキャラにクローズアップした画面も印象的。やや読みにくくも感じるが、キャラクターの顔がコマ枠をはみ出すように描かれるからこそ、2巻でのスクワ姫の豊かな表情変化が効いてくる。