あらすじ中世末期のヨーロッパ……女子修道院が騎士団からの襲撃を受け、男装の侍女・フルゥは敬愛する美しき姫・スクワと引き裂かれてしまう。スクワの行方を追うフルゥは僻地の僧院にたどり着くが、そこには髪も肌も荒れ果て、みすぼらしい姿となったスクワがいた。ふたりは追っ手を逃れ、侯爵の庇護を求めて野を歩き続けるが……。美しい巻き毛の金髪と、蝋のように白い肌、豪奢な衣装……その全てを失ったお姫さまを、それでも侍女は敬愛し続けることができるのか。荊棘と血の物語の結末。
表紙が怖かったけど、レビューはそんな感じでもなさそうだったから読んでみた。 絵柄はすごく細々としたところまで描かれていて、お姫様の髪の毛はとてもキレイで、侍女のフルゥはあほ格好良く。 遺言の下、政争に負け、修道院に入れられたお姫様。 なにがどうなるのか、どう乗り切るのか。 手助けと思えたものは手助けでなく、周りは全て敵。 読んでいて、フルゥは修道女たちをバカにしたかんじがしたけど、実際そうだったのかもしれない。 フルゥにとっての世界はお姫様が王宮で暮らしていてそれにつくことだったから。お姫様が修道院で修道女をしている現実そのものが受け入れられない。 仮の場所と思っている。読者は良くも悪くも、フルゥの視点に引きずられる。 読み終わって、ハッピーエンドだけど、救われないなあと思ってしまった。