皆さんは大人になって良かったな〜、と思うことはありますか?
昔はずっと子供のままでいたいと思っていましたが、マンガを好きに買って読めるようになったこととお酒の魅力を満喫できることに関して言えば「大人最高!」という気分になります。
美味しい肴と美味しいお酒。お米の神様やお百姓さんや蔵元の方や農家や漁師や酪農家などの方々に今日も感謝です。
中でも大好きなのは日本酒なので、こういう作品が読めると嬉しくなってしまいますね。
本作は概ね『BARレモン・ハート』のような形で、1話完結型で毎回違う人物と日本酒がフィーチャーされてハートフルな物語を提供してくれます。本郷司さん、新鋭でありながら高い画力で老若男女を生き生きとした表情で描き分けつつ、燻銀のような話を描かれる方です。積み重ねた酸いも甘いもある人生から醸される味を、見事に描いています。
日本酒を飲んだ時の香りや味に対する表現も華やかであったり迫力があったりで目を引く演出がなされています。呑んだ瞬間のリアクションも含めてとても美味しそうで、思わず今夜呑みたくなります。
また、ローカル性により自分のルーツとなる郷里への想いを引き出してくれる日本酒の魅力の一側面を改めて感じさせられました。
1巻で登場するのは
山本 純米吟醸 ピュアブラック
純米大吟醸 わかむすめ 燕子花
金陵 瀬戸内オリーブ純米吟醸
出羽桜 吟醸缶
特別純米原酒 八海山 氷温ショット
南部美人 純米吟醸 ひやおろし
森嶋 美山錦 純米吟醸
と、なかなかに面白いラインナップ。あえて、缶の出羽桜を出したり、超有名な八海山でも氷温ショットを扱ったりというところが良いですね。
毎回のお酒に関する解説やコラムも、日本酒の深い世界を知る手助けになって楽しみつつためになります。
今の季節の秋にはひやおろし、もう少し寒くなった冬には燗。一年中楽しめる日本酒と共に、楽しみたい作品です。日本酒がますます美味しく楽しく呑めるようになることでしょう。
裏路地にある日本酒バー「おけえんなさい」の店主・旭やえは失踪した父の帰る場所を守るため、さまざまな思いをかかえたお客に合う日本酒とつまみを提供する日々…日本酒と人情が交錯する心に沁みる日本酒コミック!
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