ミミさんと死なずに暮らしたい
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キレイ好きな魔獣とずぼらなエルフの凸凹夫婦生活にコメントする
ふしぎの国のバード

外国人視点の開国後日本

ふしぎの国のバード 佐々大河
ゆゆゆ
ゆゆゆ

原作となるイザベラ・バードの本は読んだことがある。 でもこれほど情景豊かに想像はできなかったし、イザベラ・バード視点のみなので、やはり周辺情報が客観的に描かれる漫画はやはり違う。 絵があると、それがすべて本当のように引っ張られてしまうのが弱点と何かで読んだ。 でも、自分だけの想像力では描ききれない、田舎の恐ろしいほどのノミやその他虫、そして不衛生さ。 それらが日常の様子として描かれ続けているので、漫画とはすごいものだなと思い知らされた。 そもそも、バード女史、よく行ったな。肉もないのに。 また、環境だけでなく、懐からボトルに入れた筆を取り出し記録をしたためる鶴吉の一連の仕草。 大人になったことを誇りに思う女の子の表情。 細やかな当時の人々の日常が、ドラマの何気ないワンシーンのように描かれていて、今は消え失せた文化を知らされる。 ちなみに、ヨーロッパより難儀な雑草が多い日本で、バード女史が農民が勤勉に働き雑草を刈るから「雑草がない」と表現したコマに、フフとなった。 有名な場面ですね。 キリスト教的な倫理観が根付いている現代の我々が、当時の日本へ気軽にトリップできる、すてきな漫画です。

ありす、宇宙までも

一人の少女が宇宙飛行士になるまで

ありす、宇宙までも
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

一人の女性が、日本人女性初の宇宙飛行士の船長を任されるという快挙を成し遂げるまでを描く物語。 https://bigcomics.jp/episodes/d6a70645fb08e/ 彼女が小学校の頃に話は遡る。 みんなから人気の小学6年生、朝日田ありす。小6の終わりに転校してきて、運動神経抜群の謎の美少女転校生として周囲からはいつも噂される存在だった。 「両親を亡くしている」「帰国子女だからカタコト」「天然キャラ」「ありすはウチらの赤ちゃんなんだから」と好き放題言われていた。 そんな彼女にはある悩みがあった。それは言葉が分からないこと。 親の教育で、海外に行きバイリンガル教育を受けていたが、英語と日本語どちらの言語も中途半端になってしまった「セミリンガル」というもの。両親はそれに気づく前に亡くなってしまった。その状態で、彼女はどこに行っても目の前の話についていけないまま12年間過ごしてきたのだ。 それに気づかせてくれたのは勉強ばかりしている神童と名高い犬星くんだった。彼女が天然ではなく、そもそも言葉を分かっていないことを見抜き「おれが君を賢くする。」 と宣言し、二人で奮闘していくことになった。 これは素晴らしい…。 読んだとき、これは自分の話か?と思ったほど。 「セミリンガル」としての状態はおそらくありすほどではなかったと思うが、自分も親の仕事の都合で5歳頃までアメリカにいて、帰国後また小6~中3でベルギーに渡った。 日本にいた5歳~小6のとき、親が相当な教育ママだったせいで運がよかったのかしっかり勉強をさせられていた。いま思い出すと当時いろいろ曖昧なまま過ごしていた部分がかなりあった。それは長いこと続いたし、4つ上にいる兄は話し言葉は大丈夫だったが書く日本語は壊滅的だった。 もし、よく分かっていないまま放置されていたら…と考えると恐ろしいし、自分には親がいたようにありすが犬星に出会えたことが本当に良かったと思う。 中学に上がり、毎日放課後にありすが犬星と学んでいくことで一つ一つ言葉を獲得し、世界の解像度が明確に上がっていく過程が面白い。 彼女から見える景色がめくるめく変わっていく。 知らない事が恥ずかしくない状態になる。それがとても重要だ。 胸を張って生きていける。 売野機子先生、ありがとうございます。 これからどうなってありすが宇宙飛行士の船長にまでなっていくのか、とても楽しみです。

ミミさんと死なずに暮らしたい

みみさんとしなずにくらしたい
著者:はりかも
みみさんとしなずにくらしたい
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