とにかくゾッとするほどリアル
小学校のクラスの中という小さい社会におけるじっとりとした闇を描き出している。一方、終わり方で良い未来を感じさせてくれた。単純に暗い内容の作品ではなくって良かった。
たぶん団結ってすごく簡単なこと。共通の目標を持つ、そして共通の敵を持つ。力の差を明確にして誰に従えばいいかわからせる。
すごく簡単だからこそやってはいけない。すごく簡単だからこそやってしまうし、やってはいけないということに気づけない。
明るくてみんなから好かれる先生と暗くてバカにされてる先生がいたら、絶対前者のほうがいいと思う。でも、自分より弱い者に好かれて言うこと聞かせるってたぶん簡単なんだよな。成功体験が簡単に得られたらやめられないだろうな。
人を指導するのは大変なことだと思う。言うことを聞かせるのが大変なわけではない。
導くこと、考えてもらうこと、気づくこと、気づかせること。簡単なほうに流れないこと。
こういう先生が増えたらいいなと思う。
【モーニング月例賞2023年6月期】奨励賞受賞作品