セルフラブとはこういうことだ
本当の自分を愛してあげよう的なメッセージの作品はたくさんありますが、いちばんスッと入ってきた作品かもしれません。 数字やアルファベットに欲情する限界秀才・時政の前に、ラブレターを3通持った女の子が現れます。 彼女は多重人格で、全人格時政のことが好きらしい…1人なのに3人の彼女ができちゃった…!?というお話です。 同一人物だけど3人ともそれぞれ魅力的で時政うらやましいなあと思っていたら、どうやら事情があるらしい……? で、ここからの流れが素晴らしいんですよね。 ドタバタラブコメでありながら読むとしっかり励まされます。 恋愛の素晴らしさだけでなく、友情の素晴らしさまで教えてくれるんです。 体型や顔立ちなどを用いてセルフラブを描く作品は多々あれど、こういう角度から伝える作品は今まで見たことがなかったです。素晴らしい!
ラブコメ漫画の最先端が、ハーレムからの複数彼女系(『ごとよめ』『カノジョも彼女』『100カノ』)にシフトしてからだいぶ時間がたったと思いますが、ラブコメはついにここまで来ました。
二重人格レベルで素直になれない(『高嶺のハナさん』)とか彼氏の前で様々なキャラを演じてしまう(『疑似ハーレム』)とかは既存だし、もしかしたら多重人格な彼女とのラブコメも既存かもしれないけど。
「医学的にかなり正確と思われる多重人格描写をしたうえでラブコメとして圧倒的に面白い」というのがマジでとんでもないと思います…!そんで絵がめっっちゃ可愛い。すごい。
ラブコメとしての勢いとかコマ割りは少年マンガなんですが、ヒロインの髪の毛の繊細な描き方・瞳の描き込み・ファッションセンス・装飾のお花の描き方がかなり少女漫画的でとても素敵でした(ミュシャ風なのがCLAMP先生みを感じます)。
大豆田先生の次回作も楽しみにしています!!