ネタバレ
めがねの弔い
ストアに行く

ぼろぼろの眼鏡を修理しようとするも、古すぎて断られてしまった。
最期だから眼鏡に美しい景色を見せてあげよう。
ものを大切にする人だな、だけではないことは鈍い私にもすぐわかった。

親友の眼鏡を修理しようとした。親友の眼鏡にいろんなものを見せてあげようとした。
その部分だけ切り取れば美談でしかないけれど、残された人間は美しいものばかり見ていられない。
何もしてあげられなかったことや逃げてしまったこと、傷つけてしまったことばかりに囚われてしまう。

想いは届いていると思いますよなんて、傍観者の身勝手な言葉でしかない。
でもきっと届いてると思う。突然去っていく人に言えなかったことなんてたくさんあるけれど、きっと届いたのだと思う。そう思わないと生きていけなくなってしまう。

そういう自分たちを適度に傷つけたり守ったりしてくれるのが物語なのかもしれない。

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国家心中 枝田作品集

国家心中 枝田作品集

歪で深い主従愛を綴る『愛の式日』 若手官僚の熱と友情を描く『国家心中』 他、描き下ろしを含む9作品を収録。 【収録作品】愛の式日/蚊帳の外/明日が来る/めがねの弔い/しょうもない女/幸福な食卓/国家心中/大団円/甦儀屋の一週間
国家心中

国家心中

主人公の晃と冥は、若手官僚として日々仕事に励んでいた。 ある日、次期総裁筆頭候補・ヤマガタ大臣の部屋に呼ばれた二人。 そこで待っていたのは、お伽話のような真実と選択肢。
生きることは祈ることに似ているにコメントする