酒癖が悪くギャンブル癖があり、育児と家事は手伝いしかしない(すらしない)旦那さん。

奥さんは産後働いていていない(働けていない)から、育児と家事と自分のお世話は奥さんの仕事だと思っていたらしい旦那さん。

ここまで読んで「なんだこのストーリーは」と思っていたら、旦那さんの言動に耐えられなくなり、別居を考えた奥さんが旦那さんへ言った。

「出ていって!」。

え、あなたの家?!

と思ってしまった。
旦那さんも私の感想と同じ言葉を言いつつ、フェードアウトしていった。

子どもを連れて奥さんがいなくなるのは、昨今は母親による誘拐だと言われるからかなぁ。

そして、旦那さんがいなくなって、ごみ捨てと風呂場の掃除を旦那さんに任せていたから、自分がやることになって、旦那さんの存在に感謝する奥さん。
出ていけと言われたので、突然実家に帰り、荒れていた旦那さん。

ひとまず仲直りしてうまくいったかと思ってからの、コロナ禍へ――。

え?!コロナ?! そう、コロナ禍が描かれています。

コロナで、緊急事態宣言でたり、解除されたりの繰り返し。
そして解除されたぞヒャッホイと、飲んだくれて、コロナに感染する旦那さん。
家族にもうつり、もう、なんというか‥。

そこから奥さんは虎視眈々と離婚の準備して、奥さんにとっての円満解決へと向かいます。
旦那さんの最後のワンシーンが見る人によって感想が違うんだろうな。

本作は、漫画「妻が口をきいてくれません」と違い、旦那さんがただでさえ救いようがない感じに描かれているのに加えて、旦那サイドが少ないため、旦那さんが人でなしに思えてしまいます。

そのせいで、個々のキャラクターも、ターゲット読者層も、考えれば考えるほど、

なにこれ、こわい。

と思ってしまいました。

スカッとする人もいるのかもしれませんが、私には怖かったです。

ちなみに、知り合いのところも、専業主婦だった奥さんが外で働きたいと言った数年後に離婚していたなあ、とふと思い出しました。

家から外に出て気分転換したい人と、別の目的を持っている人を外野が見分けるのは難しいなと思ったのを覚えています。

読みたい
ヤンキー君と白杖ガール

目からの情報過多な世の中

ヤンキー君と白杖ガール
ゆゆゆ
ゆゆゆ

登場するヤンキーは顔の傷がなくて、服の趣味が良ければ、ものすごく人が良くて純愛している好青年。 弱視の女の子に「ポエマー」と言われるほど、大好きなユキコさんの前では好青年。 一線を越えると黒豹に戻るようだけど、ユキコさん第一なので基本は好青年。 コミュニケーションお化けのようなユキコさんも、見えないからそう変わらざるを得なかったとあって、相当な苦労の上であの人となりができていて、結果が一話冒頭の白杖ケツアタックなんだなぁと思った。 コメディになる部分は、NHKの番組バリバラでみた、障害者コントを思い出させた。 障害は触れるのを避けるべきことでもなく、彼女たちには当たり前なことで、その中でのからかいや日常の楽しみ、苦労が興味深く描かれている。 もちろんコメディ要素だけでなく、しれっとヤングケアラーとなっているきょうだい児の話や、人は年を取ればいずれ見えなくなることが描かれていて、でも重たい話のはずがドロドロしておらず、あっという間に読み終えてしまった。 視力がオレサマはなるほどなと思ってしまった。 かき氷シロップはオレサマを感じさせてくれる食べ物。食品に絞ると、嗅覚が2番手のオレサマ。 ちなみに登場キャラクターのなかでは、高校生男子らしくムラムラ大好きな青野くんがとても好きだ。

ワタシってサバサバしてるから

広告で見たことがあるやつだ

ワタシってサバサバしてるから
ゆゆゆ
ゆゆゆ

主人公が「私ってサバサバしてるから〜」っていうタイプの人間でした。 「みんな私のこと「かわいい」って言ってくれるけど本命にはしてくれないね?」で知ったのですが、主人公を「うわー何こいつ」って言いたくなるキャラクター(悪役)にして、当人が落ちていくさまを眺めるジャンルっていうのがあるんですね。 身近にいたら、さりげなくフェードアウトしたくなるタイプの性格ですが、「女の敵は女」というあたりはリアルです。 そして、男の中で生きようとしているわけでなく、同性と仲良くするわけでなく、人がいっぱいいるところに飛び込んでいるのに、孤高です。 読んでいて、どうしてそういう考えに?と思ってしまい、主人公なのについていけません。 本編を悪役サイドで見ている気持ちです。 とはいえ、ライバル視されている本田さんが主人公だと、「私ってメンタル強めだから〜」と、メンタルの強さを過剰に見せつけてくるキャラクターに改変されてしまいそうで、そんな本田さんは見たくないなと思ってしまいます。 よくよく考えれば、周囲がこれほどひいた反応を取っていてもへこたれず、ゴーイングマイウェイでいられる主人公の網浜奈美は非常にメンタルが強いです。 ビジュアルが本田さんと主人公が入れ替わっていたら、どんな感想になっていたんでしょう。

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか

殴るためのお肉

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか
ゆゆゆ
ゆゆゆ

このタイトルで、この絵柄で、いわば北斗の拳。 いや、くにおくんかもしれません。 陰湿なイジメが繰り広げられる恋愛モノかと思えば、メリケンサックが出てくるタイプの恋愛モノでした。 メリケンサックと恋愛モノって、同時に存在しうるんですね。 「パワー・アントワネット」と違い、ムキムキでもなく、筋肉でもなく。 公爵令嬢として腐った世の中を正すため、いや殴りたいから主人公は暴力をふるいます。 ストッパーが無くなった彼女は強いです。 ターゲットの名前がいつの間にか「肉」呼ばわりになっていて、こうやって人でないから殴ってよしと正当化するのかなとチラと思えば、その肉がことごとく、言い訳できないレベルの悪役たちで、世直しのためには、殴っとこうかという気持ちを読者に湧き立てさせます。 そして、時の女神の力を借りて、倍速やらなんやらブーストさせて、「ボンボコボンボコ」殴って蹴って。 暴力シーン(連続)もこのきれいな絵柄のママ繰り広げられ、「創竜伝」の龍堂兄弟のようなめちゃくちゃな振る舞いも、このきれいな絵柄のママ繰り広げられます。 とりあえず公爵令嬢なので、一線は越えていないそうです。不殺です。 すべて峰打ちなので大丈夫らしいです。さすがです。 暴力で解決はよくないけれど、早いんだということはよくわかります。

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