話せばわかるは甘えです
怖い話だなあと思う反面、割とあるあるだなあとも思う。 妻がいきなり口を聞いてくれなくなったと言うけど、本当にいきなりなの? 怒ってるなら言ってくれればと言うけど、ずっと言われてなかった? ああしてこうしてと優しく言ったり厳しく言ったりしてもどうにもならなくて、もう何も言うまいと心を閉ざしてしまう気持ちはよくわかる。 しかも何も言わなくなってから優しくされたら逆に腹立ってしまうと思う。私ならケーキとお花顔面にぶち込んじゃうと思う。 むしろこの妻は優しいし可愛い人だ。 こういうのを男女の違いで分断してはいけない。お互いに敬意を持って接したいれば、相手の言葉をしっかり受け止めていれば起こるはずのないことなので。 話せばわかるって言うけど、その言葉が出た時点で問答無用なんだよなあ。
試し読み広告から気になって全部読んだ。
幼い子供の子育てを、奥さんの手伝いをすることだと思っている旦那さんの話は、育児で不仲に陥る夫婦漫画だけでなく、現実もまあ聞く話。
旦那さんの発言に、傷つく一言が多いのは元々そういう人だっただけで、奥さんが追い詰められた状態だから鼻についたんだろう。
よくある話ねと試し読みで終わらず、全部読んだ理由は、旦那さんが奥さんを「ママ」と呼ぶだけだなく、子供と同じように奥さんにアレコレさせていたため。
なんだか、ムカッとした。
いや、その人はあなたの母親ではないですよ?お手伝いさんでもないですよ?
ちゃんと名前もあるし、かつてはその名を呼んでいたでしょう?
どうしますよ、奥さん。と思って読み進めてしまった。
最後に和解するきっかけの一つが、奥さんの名前を呼んだことだったので、伏線だったのかなと思った。
和解して、口をきかなかった夫婦はラストには話すようになった。
偶然の出来事から起きた和解。
あくまで和解。
「許そう、だが忘れない」の状態。
――その証拠に一番最後のコマは、ほら、ね。
もしかしたら、旦那さんが離婚を切り出したタイミングは、相手を本気で嫌いにならずに離婚できる、最後の一線だったのかもしれない。
まだお互いに愛情が多少は残っている状態だったから。
いろいろ書いたけど、子供の手がはなれるころには、仲良しカップルのように戻っているといいね。