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お宅の夫をもらえませんか?

隣の芝生は青いというけれど

お宅の夫をもらえませんか? いくたはな みこまる
六文銭
六文銭
マンバさんのレコメンドで出てきて、タイトルから興味しかなく、即読みました。 結論からいうと、中々の後味の悪さ。 この手のジャンルはこれくらいビターな結末なほうが、リアリティがあって好きなので、個人的には良かったです。 さてその内容ですが、農家の家に嫁いだ主人公。 義理の両親と同居し、農家の手伝いをするもひたすら嫌味を言われる日々。 夫は主人公に無関心。 むしろ自分が継がなかった農業だけでなく、家事や育児も主人公に押し付けるクズっぷり。 結果、家のどこにも居場所がないと感じる主人公。 そんな中、近所にスーパーが開店。 家から逃げるようにパートをはじめ、自分の価値を認めてくれる職場に本当の居場所を感じるようになる。 そして、普段から優しく接してくれた、職場の上司でもある店長と不倫をしてしまう。 しかも、彼は同じ保育園に通うママ友の夫で・・・という流れ。 みんな、自分以外は幸せそうに見えてしまうものです。 そんなわけないんですけどね。 気になったのが、店長の動機。 店長の奥さんはよくあるキツイ性格でもなく、むしろ支える系の奥さん。田舎に赴任することになっても、好きな仕事を辞めても、文句言う事なくて店長についてきたという尽くしっぷり。 後腐れなくカラッとした性格なのに、なぜ店長は主人公とそんな関係になったのか?がちょっと疑問でした。 完璧すぎて、店長として逆に窮屈だったってことでしょうか。 そこに主人公のちょっと抜けている感じと、境遇の不憫さに共感したという感じですかね。 なんとなくわかります。 1人で何でもできて、幸せそうな人だと、自分の存在価値ってなんだろう?ってなりますからね。 しかし、まぁ、店長の奥さん、あんなにいい奥さんっぽいのに、不倫がわかったときのガチギレ具合はちょっとしたホラーでしたね。そこも見どころです。 最終的に主人公は、どういう決断をするのか? ご堪能ください。
おはよう、おやすみ、また明日。

がんと、人生と向き合う #1巻応援

おはよう、おやすみ、また明日。
兎来栄寿
兎来栄寿
『CREWでございます!』シリーズの御前モカさんによる新作です。フィクションではありますが、一家全員ががん患者であることは本当で、ご自身の闘病経験を元にして描かれているそうです。 主人公の独身女性・秋山紅葉が、がんで五年生存率50%を宣告され闘病していくという内容になっています。 皆さんは、もしも同じように宣告されたとしたら、どうするでしょうか? なかなか母親に切り出すことができなかったり、友人に伝えたら心無い言葉をSNS経由で刺されたり、読んでいて胸が圧搾されるような気持ちになります。10話の122Pなど、思わず嗚咽が漏れました。 それでも、同じ病室の杏子さんのように素晴らしい人との出逢いも生きている限り存在します。 杏子さんの言葉であったり、改めてその境遇になってからいろいろな物事を見つめ直したりすることを通して、今まで抑圧されていたものや苦しみからの解放が得られる瞬間もあり、そこは祝福したくなります。 私もなかなか自分のために生きられず人に譲ってばかりな部分があるので、紅葉がたまには自分のために生きようとするシーンなども全力で応援したくなります。 がんは日本人の死因としては1位ですし、私も大概睡眠や命を削って生きてきたので30代でがんになる『断腸亭にちじょう』などを読んでいてもまったく他人事に感じられません。いつか遠くないときに、自分や周りの人に訪れるかもしれない。 そうなったときに知っておくべきことや心構えとして持っておくべきことはたくさんあり、備えとして読んでおいて損はない作品です。それ以上に人生における大切なものも、ここにはたくさんあります。 そして、私は『CREWでございます!』や『おはよう、おやすみ、また明日。』のような素晴らしいマンガを描いてくださった御前モカさんに感謝しています。どうかひとつでも多くの笑顔がありますように。
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