コーヒーを置いていない喫茶店のお話
日替わりメニューとはいえ、700円で本格的な紅茶2杯+デザートだなんて、大丈夫なんだろうか。 人見知りだけでなく、太っ腹ないし、経営下手な店主なのかもしれない。 出されるお茶とお菓子はとても美味しそうで、店主のうんちくを聞きながら食べたくなってしまう。 ロイヤルミルクティーは和製英語などのうんちくをみていると、あれやこれや種類があることは知っている紅茶の世界の入り口に立っている気がする。 ちなみに、縦横無尽に動き回ったり、店主を励ましたりする猫のキームンくんの存在に癒やされつつも「ここ日本よね?保健所呼ばれない??」と気になり、読後に調べてしまった。 調理スペースに入れないとか毛が入らないようにするとか、触ったらちゃんと手を洗うとか、守るべき場所を守っていたら大丈夫らしい。 たしかに見直してみると、キームンくんはカウンターテーブルの上より先には行ってない。 なんの問題もなかった。 飲み物や食べ物を介した癒やされ系話を読みたい方におすすめです。
寂れた商店街に新しくできた紅茶専門の喫茶店「CAMELLIA TEA ROOM」を舞台に描かれる作品。
この喫茶店の店主は流麗な出で立ちから落ち着いた雰囲気を醸し出すいわゆるイケオジなんですが、実は極度の人見知りで接客が大の苦手。
そんな店主ですが、お客さんに紅茶のことを尋ねられると途端に饒舌になってついつい喋りすぎてしまい、飼い猫であるキームン君に邪魔されて我に返る様子も見られます。
この作品、紅茶に関する知識はもちろん、店主が紅茶を淹れる様子やティーカップなどの茶器など、細部にまでこだわって描かれているのがページの端々から伝わってきます。
そしてそんな繊細さの中で描かれる、その時のお客さんに合った紅茶を選んでもてなしてくれる店主とそれを楽しむお客さんの様子に、読んでいると穏やかな気持ちになれる作品です。
1巻まで読了