とにかく堅くて真面目な時代小説家・米蔵は、最愛の妻を病で亡くし、仕事どころか生きる気力さえなくしていたが、妻が遺したレシピ帳に載っているかんたんな料理にチャレンジすることで、自分の小説のファンでもあった妻のためにも生きようと決意するという1話目から感動が止まらない内容でした。料理を入れるお皿を探している時にイラストと同じお弁当箱を選ぶシーンがとても良かったです。
目頭が熱くなった
めっっ……ちゃくちゃ心温まるお話でした。卯之助さんの思い出の中のりほ子さんがいつも朗らかで可愛らしくて、すごく美しくて。そんなりほ子さんの遺してくれたレシピを見て料理を始める卯之助さんが、すごく素敵。 初めてのお弁当を作り上げて前を向き、書きかけだった作品を完成させたのがとてもかっこいいです。その時の表情がたまらなくて…!目のクマもなくなって、明るくなったなと…読んでてこちらの気分が明るくなりました。 料理やご飯の描写も緻密で綺麗です。ほとんどトーンがなくてペンでひたすら描いてるのかな。味があって素敵。それと3話は特に料理の描写が丁寧で、普段やらないけど料理してみたくなりますね。卯之助さんと一緒に頑張ってみたいな、そんな気持ちにさせてくれました。