不思議な時間の流れを感じる短編集。
時間が進んでいるような。ゆがんでいるような。不思議な流れで、どこにいるか、わからなくなりそうな。 日記は5秒のことを200字で書くとよいと書かれていた方がいたけども、その漫画版のような雰囲気を感じる。 なにげないシーンが切り抜かれ、画かれている 日常なのでたんたんとしているけど、当人にはドラマチック。 そして、ときどき非日常めいている。 なぜかはわからないけど、国語の老先生のストーリーが印象に残った。 先生の何気ないセリフを、意外と生徒は覚えている。 そのことを思い出した。
いつも本棚のすぐ取り出せるところに置いてるんだけど久しぶりに読んだ。喜怒哀楽の行間にあるような絶妙な感情や情景を描いてる話が多くて、こういうのって小説とか映像だと形になりやすいんだろうけど、漫画で描こうとする人は少ないですよね…。だからとても貴重に感じて、この漫画を本屋で見つけて初めて読んだ時は「出会えた!」という気持ちになりました。久しぶりに読んで一番心打たれたのは、中学生女子が国語のおじいさん先生に読書感想文の指導を受けることになる『谷後先生』という話。まだ大人になりきっていない主人公の未熟さとひたむきさに心打たれました。あんな時が私にもあったよ…。