アニメ化されたティラミスより知名度では劣るがにコメントする
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高機動無職ニーテンベルグ

働きたくない思いを戦う力に変えて

高機動無職ニーテンベルグ 青木ハヤト
ANAGUMA
ANAGUMA

「働かずに食べるメシはうまいかっ!!N.E.E.T.ッ!!」「美味しいですよ!!」 ロボット作品の開闢以来、戦闘中のコックピットで発されたセリフの中でも相当上位の切れ味を誇るのではないでしょうか。せめて少し迷ってほしい。 開幕のこのセリフが象徴するように、本作は働くことと働かないことをめぐり、命懸けで戦うパイロットたちの姿が描かれます。 主人公の不動遊(無職)はひょんなことからデスマーチ軍に抗う存在、無職同盟(リガ・ジョブレス)に加入し、黒い人型兵器(ワークマン)・ニーテンベルグに搭乗。彼の「働きたくない」思いとともに、世界の命運をかけた社畜と無職の戦いが幕を開けるのでした。全部マジです。 ロボットもののテンプレートに乗せて一貫して働く者と働かざる者の対比が描かれるのが最高に笑えるポイントです。 レジスタンスに加入してもぐだぐだしている遊に比べて、ライバルのワーカ・ホリック大佐が社会人としてまともに見えるのも読んでいてじわじわくるところ。本当に倒すべき敵なのか彼らは…? イカれた設定が繰り広げられる中でメカの作画やバトル描写はすごくカッコイイのが更に面白い。ちゃんと機体のパワーアップとかもあってロボットものの楽しさも味わえますし、物語自体は王道の熱さを備えているのがすごいです。 ガンダムのパロネタ(※超秀逸)だけではない「自由を求めて戦う」という重厚なテーゼが奥底に織り込まれているのが本作の魅力なんでしょうね。実際には労働から逃げているわけですが。 働きたくね〜と思った時に読むと元気が出るのでおすすめです!

不揃いの連理

タイトルから見る"伴侶"の形

不揃いの連理
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ここではタイトル『不揃いの連理』の語義と内容をリンクさせながら、(6巻までで)四組の女性ペアの関係を追う本作の魅力を書いてみたいと思います。 「連理木(れんりぼく・れんりぎ)」というのは、隣りあった木々の接触した枝や幹が一つにくっつき、木目まで混ざり合った状態のこと。そこから「連理」という言葉は二人の深い契りを表すのだそうです。 幸せな予感のある「連理」という言葉。では「不揃いの」という言葉はどうでしょう? 登場するペアは、いずれも全然タイプの違う二人。そしてどちらか片方、もしくは両方とも「ダメな人」だったりもします。 まっとうな会社員×元不良は見た目に反して、ダメなのは会社員の方。いかにも悪そうな人と優等生のJKコンビは、優等生が意外と暴力的etc……。でもそんな二人が何故か寄り添う。 ではそこにどんな心があるのか。 ある人に惹かれる理由を、言葉で言い表すのは難しい。でも、なぜある人の側にいるかは、理由を言える場合もある。 この作品でそれが分かりやすいのは、ダメな漫画家に接する生真面目な編集者。彼女は恋愛的惹かれの他に、ダメな漫画家を支える動機としての「ある気持ち」を持っている。そして同じようなものは、他の三組にも見て取れる。「ある気持ち」はおそらく頼りない人に対する普遍的な心情なので、納得する人は多いと思います。 「ある気持ち」で支え合い、接するうち、彼女たちはいつのまにか離れ難くなっていく。そこには理屈ではなく、もはや必然として一つになった連理木が生まれている。 伴侶って、こういうことだよな……大きな安心感とエモーションが同居する感じ。実はかなり暴力描写・しんどい内容も多いのにそれはとても不思議な感覚で、いつまでもこの物語を追う動機となってゆくのです。 ダメな人に対する、共通する「ある気持ち」......どんなものか、ぜひ本作から探してみてください。 さあ、まだ不穏な堅物教師×生徒の物語はどうなるかな? (6巻までの感想) (追記:実はマンバ読書会でリアルタイムで書いたものから、細かく改稿しています。どんなふうに変化しているか、ぜひ配信と比較してみてください! https://www.youtube.com/watch?v=FgBPuVvUHFI) #マンバ読書会 #クチコミを書く回

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